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- プラチナ 金 パラジウム アルミニウム/ボーキサイト
ロシア:鉱物採取税の引き上げにより、Norilsk Nickel社が最も影響を受ける可能性
2021年9月14日付けの地元報道等によると、2022~2024年の主要税政策の最新案である「2022年及び2023~2024年の計画期間における予算・税・関税政策の基本方針」草案において、財務省が検討している鉱物採取税(MET)を3倍増にする計画により、Norilisk Nickel社が影響を受ける可能性が高い。金とダイヤモンドのMETは販売価格に連動しているため、今回の引き上げはPolyus社、Polymetal社、Petropavlovsk社、ALROSA社には影響しない。
今回検討されているMET引き上げは、2021年末まで適用される輸出関税(15%の基本税率と特定税率(製品の種類により異なる)で構成)に代わるものとして合理的な措置といえ、Finam社のアナリストの予想では、今回発表された案は近い将来採択される可能性がある。
同アナリストによると、税負担の増加で最も打撃を受けるのはNorilsk Nickel社であり、RUSAL社についてはMET引き上げの影響は比較的小さい。
Norilsk Nickel社の収益構造の大部分を占めるのは貴金属(パラジウム、プラチナ、金)であり、METは販売価格に基づき算出されている。現時点では、貴金属に関する現行規定を見直す予定はなく、乗率引き上げの影響を受けるのは、同社の総収益の約37%を占める貴金属以外の非鉄金属の生産である。METの引き上げにより、2022年の同社のEBITDAマージンは1.6ポイント減の60.2%となる。
RUSAL社の場合、MET引き上げは、ロシアにおけるボーキサイト生産の魅力低下を意味する。ロシアで生産したボーキサイトは、2020年の同社の総生産量の約27%を占めている。同社経営陣は、METの乗率引き上げにより、ロシア国内で採掘される鉱石の輸入品に対する競争力が低下すると述べている。METが引き上げられた場合、RUSAL社はアルミニウム生産のために海外におけるボーキサイトの生産拡大を余儀なくされる可能性が高い。Finam社の予想では、2022年の同社のEBITDAマージンは0.3ポイント減の23.8%となる。
