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ニュース・フラッシュ

鉱種:
ニッケル
2021年9月30日 ジャカルタ 白鳥智裕

インドネシア:政府、含有率70%未満のニッケル製品の輸出禁止を検討

 2021年9月18日付け現地メディアは、インドネシア政府が国内のニッケル加工産業の拡大を促進し、国内電気自動車(EV)バッテリー産業を支援するため、国内のニッケル埋蔵量を保全する目的で、ニッケル含有率が70%未満のニッケル金属の輸出を禁止することを検討していると報じた。Bahlil Lahadalia投資大臣の記者会見によると、提案されている新政策では、ニッケル含有率が70%以上の製品のみが輸出できる。インドネシアのニッケル輸出は、ニッケル銑鉄やフェロニッケルなど、ニッケル含有率30~40%の製品が中心となっており、政府は30~40%のニッケル製品に輸出税を適用する可能性も検討している。
 これに対して、インドネシア・ニッケル鉱業協会(APNI)事務局長であるMeidy Katrin Lengkey氏は同月23日、ニッケル金属製品を加工する国内の容量が非常に限られていることから、輸出禁止政策は投資家がインドネシアでニッケルベースの製錬所を開発する計画を実現するのを妨げる可能性があるとした。APNIのデータによると、2025年までにニッケルベースの製錬所は、乾式製錬所と湿式製錬所を合わせて98か所開発されているという。現在、31の製錬所が操業を開始し、約40のプロジェクトが建設中で、残りは必要な許可を得るためのプロセスにある。
 Meidy氏によると、インドネシアのニッケル輸出のほとんどは、ニッケル含有量10~22%程度のNPIとフェロニッケルで構成されており、PT Vale Indonesia(PTVI)が、ニッケル含有量70%以上のニッケルマットを生産している唯一の企業だという。また、最近完成した高圧硫酸浸出(HPAL)製錬所で生産されている、EVのバッテリー前駆体の基本材料である混合水酸化物沈殿物(MHP)製品でさえ、ニッケル含有率は40%未満に過ぎない。
 なお、同月24日付け現地メディアにおいても、政府による本輸出禁止政策は、国内のニッケル製錬所産業への投資環境を損ねることになるとして報道されている。

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