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ニュース・フラッシュ

鉱種:
リチウム
2021年10月7日 バンクーバー 佐藤すみれ

メキシコ:AMLO大統領が憲法改正案を提出、リチウム探鉱および採掘を国家独占と提案

 2021年10月1日、Andrés Manuel López Obrador(AMLO)大統領は、電力部門の規制強化を目的とする憲法第25、第27、第28条改正法案を国会に提出した。本改正案において、国内の発電のうち電力庁(CFE)による発電を最低54%、民間企業による発電を最大46%とすることや、CFEが公共電力の供給を独占的に実施すること等、事実上CFEを優遇する策が記されている。また、リチウムをエネルギー転換のための重要な戦略資源と定めるほか、民間企業に対する鉱業権は付与されず、リチウムを含む戦略資源は国家が活用する内容の条項が盛り込まれている。なお、既存の鉱業権に関しては、改正法の発行時までに経済省が正当に承認したリチウム探査の履歴があることを条件に、当規制は適用されない。
 政府はリチウム資源を活用した新産業創出を構想する一方で、改正実現のため十分な賛成票の獲得が課題となる。憲法改正には、上院および下院議席数の3分の2以上の賛成が必要となるが、現在与党連合が占める議席数はこれに達していないほか、与党連合を形成する緑の党(PVEM)は、これまで国家再生運動(MORENA)が推進してきた一連のエネルギー関連改正に多くの反対票を投じてきたことからも、与野党双方からの支持獲得が重要となる。
 また、本改正案提出に先駆け、経済省は同省所管の地質サービス庁(SGM)を通じたリチウム探鉱実施計画を発表した。本計画の目的は、リチウム資源が存在する地域の特定と経済性のある地域の定義であり、47.6mMXN(メキシコペソ:約2.3mUS$)を投じ全国18州、計82の地域で2年間の探鉱が実施される。メキシコ鉱業協会(CAMIMEX)はリチウム開発の国家独占に関し、すでに厳しい国家予算から十分な探鉱および開発費を拠出することは困難と想定されることや、現時点で政府が十分な技術やインフラを有していないことから、産業の成長に逆効果となると指摘する。

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