閉じる

ニュース・フラッシュ

鉱種:
チタン ジルコニウム ウラン リン
2021年10月14日 モスクワ 小松弘希

キルギス:エネルギー産業省、ウラン・トリウム鉱床開発の禁止に関する法律の無効化を提案

 2021年10月6日付けの地元報道等によると、エネルギー産業省が、ウラン及びトリウム鉱床の探鉱・探査・開発を目的とした地下資源の地質調査を禁止する法律の無効化を提案した。同省は、一定の条件付きで、国内での当該活動を許可する予定である。
 同条件は、政府持分が100%の企業に限り、ウラン、トリウムその他元素の採掘が許可され、外国投資家との合弁会社を設立できるというものである。加えて、国際的な環境基準に適合する技術を用いて、環境を害することなく操業を行うことを条件とする。
 但し、エネルギー産業省は、パブリックコメントの結果次第として提案撤回の可能性も排除していない。
 ウラン及びトリウム鉱床の探鉱・探査・開発を目的とした地下資源の地質調査を禁止する法律は、事実上、世論からの圧力により、2019年に採択された。国会議員グループが起草した同法律は、Bishkek市とBalykchi市で開催された集会に対応したものである。抗議者は、Issyk Kul州にあるウラン・トリアナイト砂鉱床Kyzyl-Ompol鉱体群Tash-Bulak鉱床の開発中止を要求し、これを受けて政府は、鉱山会社に交付済みだったライセンスの停止を決定した。
 同鉱床で採掘された鉱石を処理する予定だったKara-Balta Ore Mining Combineは、開発禁止の決定により苦境に陥った。公式データによると、同社は合計70mUS$の利益を得ることができず、国家予算は500mKGS(キルギス・ソム)の税収を失った。
 ウラン・トリアナイト砂鉱床のKyzyl-Ompol鉱体群は1951年に発見された。同鉱床はキルギス山脈東端の支脈である山の南斜面に位置し、5つの鉱区を含む。確認埋蔵量はウラン3.5千t、トリウム8.54千t、リン10千t、ジルコニウム34千t、チタン磁鉄鉱1.6百万tである。

ページトップへ