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ニュース・フラッシュ

鉱種:
ネオジム プラセオジム レアアース/希土類
2021年10月15日 北京 塚田裕之

中国:工業情報化部・自然資源部、2021年レアアース採掘総量規制指標を発表

 2021年9月30日付け報道によると、中国工業情報化部と自然資源部は共同で2021年レアアース採掘総量規制指標を発表した。2021年のレアアース鉱石(レアアース酸化物REO、以下同様)採掘総量規制指標を168,000t、製錬分離総量を162,000tとし、それぞれ対前年比20%拡大した。採掘総量指標のうち、軽希土類を主とするマグマ由来型鉱床採掘指標は148,850t、中・重希土類を主とするイオン吸着型鉱床採掘指標は19,150tとされている。
 レアアース採掘指標は対前年比28,000t増加しているところ、増加分は主にマグマ由来型鉱床に集中し、イオン吸着型鉱床は対前年比横ばいである。また、増加分28,000tのうち、26,800tが北方希土に、1,200tが南方希土傘下の江西銅業に配分され、他企業への配分は対前年比横ばいである。また2021年の製錬分離指標は対前年比27,000t増加で、このうち25,850tを北方希土に、1,150tを南方希土に配分し、他企業への配分指標は横ばいである。今回の指標により、北方希土の比率は60%近くに上昇した。
 以上のことから、レアアース産業は依然として軽希土類供給の着実な増加を推進する一方、中・重希土類に対する開発を厳しく管理する方針が読み取れる。この方針の下、北方希土は親会社が保有する軽希土類の資源及び自社の資産に頼り、今般の指標配分において最も利益を得ている。2021年採掘指標に基づく試算によれば、30,400tのプラセオジム・ネオジム酸化物を産出でき、これは対前年比5,300t、21%の増加である。このうち大半の増加分は北方希土によるもので5,100tを超えている。

(図:(上)中国希土類採掘指標推移、(下)希土類製錬分離指標推移)

(図:(上)中国希土類採掘指標推移、(下)希土類製錬分離指標推移)

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