閉じる

ニュース・フラッシュ

鉱種:
コバルト レアアース/希土類 ニッケル リチウム
2021年10月19日 バンクーバー 佐藤すみれ

メキシコ:憲法改正案、国家が独占する戦略的鉱物資源の対象に銅、コバルト、ニッケル、レアアースも含まれる可能性

 2021年10月15日付け報道によると、2021年10月1日に提出された憲法改正案に関し、民間による開発規制の対象としてリチウムのほか、銅、コバルト、ニッケルまたレアアースも対象とする案が存在することが明らかとなった。法案で、国家が開発を独占する鉱種は「放射性鉱物、リチウム、その他戦略的鉱物資源」と記されており、対象鉱種が不明確であることから業界は警戒している。
 ロイター通信が与党Morena(国家再生運動)に所属するAlejandro Armenta Mier上院議員に対し行ったインタビューで、同議員は戦略的鉱物資源のリストに銅、コバルト、ニッケル、またレアアースのうち7鉱種を含めることを想定している旨明かした。一方、経済省のスポークスパーソンによると、Armenta議員が明かした案は公式なものでなく、最終的な決定は同省が所管する地質サービス庁(SGM)が行うとされる。
 同改正案は電力部門の規制強化が主要な目的であり、電力庁(CFE)を優遇し強化する策が記されているが、国内外から批判が相次いでいる。米国商工会議所およびカナダ商工会議所はそれぞれ文書を発表し、その中で米・メキシコ・カナダ協定(USMCA、新NAFTA)に背く等と批判したほか、メキシコが直面するであろう国際的問題への強い懸念を示した。憲法改正には上院および下院議席数の3分の2以上の賛成が必要となるが、現在与党連合が占める議席数はこれに達していないことから、賛成票確保が課題とされている。

ページトップへ