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インドネシア:税関、ニッケル鉱石の輸出が禁止されているにもかかわらず、海外への輸出を確認
2021年10月18日付け現地メディアによると、税関当局は、政府の輸出禁止政策にもかかわらず、2020年と2021年に限られた量のニッケル鉱石の輸出があったことを認めたが、商業目的ではなかったという。同局の国際関税・制度関係部長であるSyarif Hidayat氏は、ニッケル鉱石と精鉱は海外試験用のサンプルとして輸出されたと述べた。同氏によれば、2019年のニッケル鉱石・精鉱の輸出量は32.2百万tで、その後2020年に3.6t、2021年に1tとなっている。
政府は、国内のニッケル下流産業の発展を推し進めるため、2021年初頭から未加工のニッケル鉱石の輸出禁止を開始している。しかし、政府の方針に基づき、研究協力の枠組みの中での鉱物試験のためのサンプル、販売を目的としないサンプル、海外展示会のためのサンプルとして、ニッケル鉱石の限定的な輸出は認められている。
エコノミストのFaisal Basri氏は、中国税関のデータによると、2021年の中国へのニッケル鉱石輸出量は3.4百万tに達していると述べており、中国への輸出を中心としたニッケル鉱石輸出禁止政策に漏れがあったのではないかという疑惑が再び浮上した。この告発に関連して、Syarif氏は、2021年にインドネシアから中国へのニッケル鉱石の輸出が本当にあったのかどうかを確認するため、インドネシア税関が中国の税関に確認を行うとしている。
一方、インドネシア中央統計局(BPS)のMargo Yuwono局長によれば、BPSが記録した2021年のニッケル鉱石の輸出はなかったとした。