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ニュース・フラッシュ

鉱種:
グラファイト コバルト リチウム
2021年11月1日 ロンドン 倉田清香

英:英国政府、2050年までにネットゼロを達成するための「ネットゼロ戦略」を公表、英国重要鉱物戦略の策定についても言及

 2021年10月19日付けのプレスリリースによると、英国政府は、2050年までにネットゼロ目標を達成するため、英国経済の全ての部門を脱炭素化するための政策及び提案を示した「ネットゼロ戦略(Net Zero Strategy)」を公表した。企業や消費者のクリーン電力への移行を支援し、2030年までに44万人の高賃金雇用を確保し、最大90b£の民間投資を活用するための方策を示している。
 金属分野に関しては、ネットゼロのため、グリーンテクノロジーの製造から大規模インフラの建設まで、銅や鉄鋼のような資源需要の増加に加え、リチウム、グラファイト、コバルトのような特定の重要鉱物資源の利用の大幅な増加を必要とすると指摘している。
 その上で、英国政府は重要鉱物戦略の範囲と内容について、政府に独立したアドバイスを提供するため、重要鉱物に関する専門委員会(Expert Committee on Critical Minerals)を設立し、投資判断の指針となる重要鉱物の最新リストを公表する。また、重要鉱物インテリジェンスセンター(Critical Minerals Intelligence Centre)を設立し、意思決定の指針となるストックとフローに関する分析を提供する。
 さらに英国政府は、テクノロジーにとって重要な鉱物・金属を確保するためのアプローチを定めた英国重要鉱物戦略(UK Critical Minerals strategy)を2022年に公表する。加えて、新規・既存市場における英国の鉱業部門の関与を支援し、抽出・加工部門への投資・コラボレーションを促進する。
 なお、英Critical Minerals Association(CMA)は、本戦略においてネットゼロを達成する上での重要鉱物の重要性に関する英国政府の認識を歓迎する旨の声明を出している。

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