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インドネシア:炭素取引制度の開始について
2021年10月28日付け現地メディアによると、英Glasgowでの第26回国連気候変動会議(COP26)を前に、インドネシア政府は石炭への依存を解消することには消極的であるものの、気候変動対策への取り組みとして、2060年までに排出量をネットゼロにするという公約を発表し、政府は国内で初めて排出権交換メカニズムを設立する計画を発表した。
この排出権交換メカニズムは、可決されたばかりの税制調和法(HPP)の炭素排出量課税の規定を実施しようとするものである。
石炭火力発電所がこの規制の最初の対象となり、2025年に本格的な炭素取引制度が設立される前の2022年4月に施行される予定である。
財務省財政政策庁のFebrio Nathan Kacaribu長官によれば、規制案ではcap and trade制度が規定されており、国内の石炭発電所ごとに排出量の上限が指定される。炭素排出量の価格は、他の多くの国よりも安価な、二酸化炭素換算で1tあたり約27,200IDR(インドネシアルピア:1.9US$)を予定している。
専門家の間では、この政策案は甘すぎると批判されている。
また、このメカニズムがエネルギー価格を上昇させるのではないかという懸念も表明されている。世界的なエネルギー不足が続く中、インドネシアの産業界では、80%以上が化石燃料発電所に、約50%が石炭火力発電所に依存しているためである。
安定したエネルギー供給も問題となっており、この政策の実行は困難である。
国営電力会社PT PLNの最新の長期電力調達計画(RUPTL)では、2030年までに新規発電所容量4,057万kWのうち56.1%を再生可能エネルギー発電所が占めることを目指している。しかし、再生可能エネルギーへの投資も急速には伸びていない。
これらの課題は、低炭素開発を目指す政府や民間企業の意欲を削ぐものではない。温暖化対策のための価格設定や税制は、貿易や経済に過度な障害をもたらすものではなく、時間をかけて化石燃料などのエネルギー資源からの転換を促すものであり、これらは、インドネシアが天然資源を管理・保全できるかどうかの試金石でもある。


