閉じる

ニュース・フラッシュ

鉱種:
アルミニウム/ボーキサイト ニッケル
2021年11月8日 ジャカルタ 白鳥智裕

インドネシア:工業省、上流部門よりも下流部門に注力するよう金属部門に奨励

 2021年11月2日付け現地メディアによると、工業省は、製錬所の建設も含めて、上流部門の開発よりも下流部門に重点を置くよう金属部門に奨励している。工業省金属産業局の政策アナリストSri Bimo Pratomo氏は、上流部門の開発を当面中断すべきであると提案した。下流部門に注力することは、業界に付加価値を提供する。またSri氏は、上流部門に注力すると天然資源の埋蔵量に影響を与えると評価した。
 工業省は、これまでのところ、ニッケル、銅、アルミニウムの上流部門の開発が盛んであると考えている。したがって、下流部門に注力するには(関係者の)総意が必要である。Sri氏は「つい最近“上流産業の発展”を停止した。下流部門に注力することによって、上流産業から下流産業へと向かい、最終製品になればなるほど、輸出は問題ではなくなる。」と述べた。
 インドネシア政府は、2024年までに53の製錬所の建設を目標とする。2021年、政府は4つの製錬所の建設を通じて23の製錬所プロジェクトを目標としている。エネルギー鉱物資源省の鉱物石炭局長Ridwan Djamaluddin氏は、実際に建設を完了したのは2つの製錬所で、Banten州のPT Smelter Nickel IndonesiaとPT Cahaya Modern MetalIndustriであるとした。まだ建設中の2つの製錬所は、北Maluku州のPT Antamと中部Kalimantan州のPT Kapuas Prima Citra製錬所である。PT Antamの製錬所は97.7%まで完了している。
 Ridwan氏によると、PT Antamの製錬所は電力供給の問題を解決するだけで良いが、まだ稼働できていない。同社は、国営電力会社PT PLNと解決を図ろうとしている。
 更に、中部KalimantanにあるPT Kapuas Prima Citraの製錬所の99.87%が建設された。現在、建設プロセスは、2021年11月に来訪予定の中国からの製錬の専門家を待っているところである。
 一方、PT Smelter Nickel Indonesiaは生産試験に成功している。しかし、現在、操業資金が不足しているため、製錬所の操業は一時的に停止している。

ページトップへ