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2021年11月15日 ジャカルタ 白鳥智裕

フィリピン:フィリピン証券取引所(PSE)、新しい鉱物報告コードを発効

 2021年11月5日付け現地メディアによると、フィリピン証券取引所(PSE)は、フィリピン鉱物報告コード(PMRC)の新バージョン(2020年版PMRC)について、証券取引委員会(SEC)による承認後直ちに発効することを発表した。2021年11月4日付けの覚書によれば、2020年版PMRCは現在の国際的な鉱物報告基準に沿ったものである。PSEは、上場企業が新しい報告コードを遵守するために、2021年9月20日から2年間の移行期間を設けた。また、市場参加者に対しては、鉱物報告のために2020年版と現行バージョン(2007年版PMRC)の両方を使用することは認められないとしている。PSEによれば、上場企業は2021年9月20日から2年間の移行期間が与えられ、その間に2007年版PMRCの基準を継続して遵守するか、2020年版PMRCに移行するかを選択することができる。ただし、暫定期間中に2020年版PMRCを採用した場合、2007年版PMRCに戻すことはできない。
 PSEによると、2020年版PMRCは、鉱物埋蔵量国際報告基準委員会(CRIRSCO)の2019年国際報告テンプレートと、豪州共同鉱石埋蔵委員会の2012年JORCコードを実質的なモデルとしている。PMRC委員会は、2019年2月に2007年版PMRCを国際的な報告基準に準拠させるための見直しを開始していた。
 PMRC委員会のCiceron A. Angeles Jr.委員長によれば、2020年版PMRCが以前の報告コードよりも厳しいため、鉱物資産の財務評価や会計処理を含めて調整するため、2年間の経過措置が必要であるとした。「2020年版PMRCは、”if not, why not”の原則に基づいている。2020年版PMRCの例では、虚偽の報告をした場合と必要な報告をしなかった場合の両方が罰せられる。これは、2007年版PMRCでは報告内容に虚偽があった場合のみを罰することとしていたものと比較しても厳格になったことは明らかである。」とAngeles Jr.委員長は述べている。
 フィリピン鉱業会議所のGerard H. Brimo会長は、2020年版PMRCは鉱物産業にとって歓迎すべきことだと述べた。同会長は、「2020年版PMRCにより、フィリピンは世界的に認められている鉱物報告基準と同等になる。我々は、2020年版PMRCによって、投資家や金融機関の間で、我々の業界に対する信頼性が高まることを期待している。これは、我々の業界の活動を支えるために非常に必要なことである。また、より多くの鉱業・探鉱企業が自信を持ってフィリピンに上場し、事業を拡大し、数十億US$の資金を調達することで、国内外の投資家の間でPSEの名声が高まることを期待している。」と付け加えた。
 2021年上半期の鉱山地球科学局のデータによると、フィリピンの金属鉱物生産額は金属価格の上昇を受けて24.5%増の68.63bPHP(フィリピンペソ)に達した。

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