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ニュース・フラッシュ

鉱種:
ニッケル
2021年11月19日 ジャカルタ 白鳥智裕

インドネシア:Nickel Mines社によるAngel Nickelプロジェクト、NPIの生産開始が予定より前倒しになる見込み

 2021年11月17日付け現地メディアによると、ASX上場のニッケル採掘・製錬会社Nickel Mines社は、同日、北MalukuのIndonesia Weda Bay工業団地(IWIP)内に80%所有するAngel Nickel Project(ANI)からのニッケル銑鉄(NPI)の初生産が、契約上の試運転開始時期である2022年10月から大幅に前倒しして、2022年第1四半期に予定されていることを報告した。修正された試運転スケジュールでは、ANIの4本のロータリーキルン炉(RKEF)ラインのうち最初の1本が2022年3月に試運転を開始し、他の3本のRKEFラインはその後60~90日かけて順次、試運転を行い、2022年6月までに4本すべてのRKEFラインでNPIを生産することになる見込みである。
 ANIの発電所は、契約上の納期である2022年10月を前倒しして、2022年9月末までに試運転を開始する予定だが、当該期間においては、IWIPの既存の電力網からの電力を利用する。また、この期間におけるANIのRKEFラインからのNPI生産は、電力供給状況に応じて、ニッケル換算量で年間36千tの生産能力以下で稼働する。なお、同発電所(380千kW)が稼働してから約1か月後には、NPIのフル生産が可能になる予定である。
 既存のHengjayaニッケルプロジェクト(HNI)及びRangerニッケルプロジェクト(RNI)と同様に、ANIでもNPIの商業販売を開始するためには、産業用事業免許(Izin Usaha Industri(IUI))の発行が必要となる。IUI発行前に生産されたNPIは、HNI及びRNIの初期販売時と同様にストックされるが、現時点では、ANIのIUIが発行される予定の2022年第2四半期に最初の商業販売を行う予定である。
 ANIがフル稼働になると、Nickel Mines社のニッケル生産量はニッケル換算量で年間30千tから66千tに増加する。Nickel Mines社は現在、中央Sulawesi州にあるHengjaya製錬所とRanger製錬所の2つの製錬所でNPIを生産しており、それぞれの生産能力はニッケル換算量で年間15千tずつである。

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