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2021年12月1日 バンクーバー 佐藤すみれ

メキシコ:San José銀・金鉱山の環境許可延長をめぐる住民協議、近隣2自治体が実施を拒否

 2021年11月29日付け地元紙によると、加Fortuna Silver Mines社が保有するSan José銀・金鉱山(Oaxaca州)の環境許可延長をめぐる問題に関し、周辺自治体は、すでに住民やエヒード(土地を保有する農業共同体)との協議を終えていることを理由に、連邦政府が計画する住民協議実施を却下したことが明らかとなった。Fortuna Silver社の現地法人であるMinera Cuzcatlán社は、San José鉱山の操業に係る環境許可の10年延長が環境天然資源省(SEMARNAT)により承認されなかったことから、操業継続の危機に直面している。SEMARNATは、鉱山周辺の先住民コミュニティと協議を実施する意向を公式声明において発表していたが、報道によると、鉱山に近隣するSan Pedro MártirおよびSan Pedro Apóstol自治体当局は、一連の動きに対する意見を表明するため、Andrés Manuel López Obrador大統領ならびに各関係大臣へ宛てた書簡を送付した。その中で、Minera Cuzcatlán社による環境影響評価書はすでに却下されているものの、その後に鉱山労働者や周辺住民によって操業継続を求める抗議運動が発生したことをSEMARNATが考慮したことで住民協議実施が計画されることに至ったと綴り、このことがコミュニティの自決権を侵害すると批判した。さらに、鉱山開発の影響を被る自治体として、権利の収奪を目的とする協議方法の確立を認めないことが表明されている。

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