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インドネシア:中国青山集団、リチウムに照準
2021年11月25~26日各種メディアによると、インドネシアで急速に生産量を増やしている中国青山集団(Tsingshan)は、リチウム分野への最新の参入者の一人であり、電気自動車(EV)のバッテリー原料のワンストップショップになる可能性を秘めている。
同社はステンレス鋼メーカーだが、低品位のニッケル銑鉄を先駆的に使用した経緯から、2018年には世界トップのニッケル生産者となった。
同社と同業の中国企業であるChengxin Lithium(盛新锂能)社は、インドネシア初のリチウム加工プラントで年間60千tのリチウム化学製品を生産すると発表した。
インドネシアの施設ですでに開発されている電池グレードのニッケルとコバルトの生産に加えて、リチウムの供給があれば、インドネシアはEVやその他の二次電池に必要な3つの主要成分の主要な生産者となる。青山集団の幹部によれば、電池事業は同社の新たなコアビジネスになる。
青山集団はリチウム加工プラントプロジェクトの35%、Chengxin社は65%の株式を保有する。350mUS$の工場建設のための資金のうち30%は自己資金で調達し、70%はローンで調達する計画である。リチウム加工プラントの開始時期は明らかになっておらず、課題も残されている。Chengxin社の関係者によれば、このプロジェクトでは、全て硬岩型リチウム鉱石から生産され、年間450千tのリチウム精鉱が必要である。しかし、インドネシアではリチウム鉱床は確認されていない。そのため、スポジュメンなどのリチウムを多く含む鉱物を海外から調達する必要がある。Wood Mackenzie社アナリストのAllan Pedersen氏によれば、Chengxin社が追加のオフテイクを確保できる可能性はあるが、スポジュメン精鉱をめぐる競争は熾烈になるとみる。
Chengxin社は最近、アルゼンチンとジンバブエでの買収により、上流の資源基盤を拡大した。また、中国四川省でリチウム鉱山の開発を行っているHuirong Mining社にも出資している。
青山集団は、仏Eramet社と提携して、アルゼンチンにおいて炭酸リチウム換算で24千t/年の生産を目標としており、また、江蘇省のLopal Tech社とインドネシアでリン酸鉄リチウム(LFP)電池材料を生産する予定である。
インドネシアが世界最大のスポジュメン鉱石の供給国である豪州に近いことも有利に働く。
Fitch Solutions社のアナリストSabrin Chowdhury氏は、Chengxin社と青山集団のリチウムプラントは、国内のリチウム化合物需要から利益を得ることができ、電池メーカーがリチウムを輸入する際に必要となる輸送費を支払う必要がないため、戦略的にリチウムの供給先として選ばれることになると述べている。
しかし、精錬されたリチウム製品をゼロから生産して利益を得るという基本的な課題も克服しなければならない。
WoodMackenzie社ディレクターGavin Montgomeryは、リチウム分野のビッグ5(米Albemarle社、中・贛鋒リチウム業社(Ganfeng Lithium)、チリSQM社、中・天斉リチウム社(Tianqi Lithium)、米Livent社)に挑戦できるかどうかは疑問だが、青山集団を過少評価してはならないと評価する。


