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ニュース・フラッシュ

鉱種:
コバルト ニッケル マンガン リチウム
2021年12月7日 ジャカルタ 白鳥智裕

インドネシア:中Zhejiang Huayou Cobalt社、インドネシア・ニッケルJV、試験生産を開始

 2021年12月1日付け各種メディアによると、中Zhejiang Huayou Cobalt(浙江華友コバルト)社は同日、電気自動車(EV)製造用のコバルトとニッケルを生産する製錬JVの初の試験生産をインドネシアで行ったと発表した。JVは、同社が中国青山集団(Tsingshan)および中China Molybdenum(CMOC)社と共同で設立したPT Huayue Nickel Cobalt(Sulawesi島)と呼ばれるもので、インドネシアで注目されていたプロジェクトのうち、2番目となる。
 試験の結果、EVバッテリー用のニッケルとコバルトの化学物質に加工できる混合水酸化物沈殿物(MHP)の品質が必要なレベルを満たしていることが確認された。フル生産に向けた立ち上げの時期については明らかにしておらず、新規プロジェクトの一部はパンデミックの影響で遅れている。金属含有量ベースでは、Sulawesi島にあるPT Huayueは、迅速な生産と高い回収率を可能にする高圧酸浸出(HPAL)技術を用いて、年間60千tのニッケルと7.8千tのコバルトを生産するよう設計されている。
 インドネシアが2020年からニッケル鉱石の輸出を禁止したことにより、EV市場のトップである中国の企業がインドネシアに工場を設立するようになった。
 なお、立ち上げ時期は明らかではないが、浙江華友コバルト社は2021年5月、より大規模なインドネシアHPALプロジェクト(PT Huayu Nickel Cobalt、中部Sulawesi州Weda Bay工業団地)に20%出資した。また、GEM社が主導するインドネシアの別のHPAL計画は、2022年の立ち上げを目指している。更に、浙江華友コバルト社は、北京Easpring Material Technology社とニッケル、コバルト、マンガン、リチウムの共同採掘に合意し、2022~2025年にかけて300~350千tの電池前駆体を供給すると発表している。電池の正極材料を製造するEaspring社は、別途CNGR Advanced Material社と協力協定を結び、2022~2024年にかけてCNGR社からも200~300千tの前駆体を購入することになっている。
 Easpring社とCNGR社は、インドネシアでのニッケルの共同採掘を計画しており、Easpring社はCNGR社のニッケルマット・プロジェクト(年産60千t)に出資する。また、中国の貴州省に年産300千tのリン酸鉄リチウム工場を建設する予定である。

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