閉じる

ニュース・フラッシュ

鉱種:
2021年12月10日 ジャカルタ 白鳥智裕

ミャンマー:クーデター以降、Kachin州は違法な金鉱が野放し

 2021年12月4日付け現地メディアによると、クーデター以来、Kachin州では違法な金鉱が野放しになっており、2000年代初頭に中国が支援した大規模なダム計画に何年も抗議してきた村人たちの懸念が高まっている。Irraawaddy川沿いの地元関係者によると、軍が2021年2月1日にクーデターを起こしてから、わずか数週間後に違法な金採掘が本格的に始まった。無秩序な活動が水路や周辺環境にダメージを与えることを恐れている。
 2011年、ミャンマーの軍事政権下の旧政府は、洪水などの環境への影響が懸念されたため、2011年にIrraawaddy川に3.6bUS$を投じて建設されたMyitsone水力発電プロジェクトの建設を中止した。地元住民は、電力の90%が中国に輸出されることにも憤慨していた。また、クーデター前の国民民主連盟(NLD)政権下での、Kachin州鉱山局は2020年5月時点で、11のタウンシップに223の金鉱山と262の小規模な個人鉱山を割り当てていた。鉱山業者は川を浚うことは許されず、水路から300フィート離れた場所を掘ることしか認められなかった。また、NLD政府は、金鉱業者が廃棄物を川に投棄することを防ぐ規則を定めた。
 しかし、地元関係者によれば、現在の採掘業者はこの規則に従っていない。無秩序な金採掘の急増によって、環境への影響と、様々な犯罪や麻薬関連の問題を引き起こしている。
 Kachin州には、金、琥珀、ヒスイ、銅、ルビーなどの豊富な天然資源があり、その資金源となる鉱山地帯の支配をめぐって、民族的武装組織であるKachin独立軍とミャンマー軍との間で、長期にわたって内戦が繰り広げられてきた。

ページトップへ