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ニュース・フラッシュ

鉱種:
ジスプロシウム テルビウム レアアース/希土類
2021年12月15日 ジャカルタ 白鳥智裕

ミャンマー・中国:国境ゲート再開後にレアアース取引再開、価格も落ち着く

 2021年12月2日付け中国メディアによると、2021年11月下旬に中国とミャンマーの国境ゲートが再開され、ミャンマーは中国へのレアアースの輸出を再開した。アナリストによれば、中国が炭素排出量削減に力を入れているため、長期的には価格上昇の可能性があるものの、結果として中国ではレアアース価格が緩和される可能性が高い。
 中国東部の江西省贛州市にある国有レアアース企業のマネージャーによれば、レアアース鉱物を積んだトラックが毎日贛州に入ってきている。また、国境の港には約3~4千tの希土類鉱物が積まれていると推定している。
 新型コロナウイルスの規制で半年以上閉鎖されていた中国とミャンマーの2つの国境は、ミャンマー北部の都市Museから約11kmのところに位置するKyin San Kyawt国境ゲートで、もう一つはChinshwehaw国境ゲートである。
 中国はレアアースの供給をミャンマーに依存しているため、レアアースの取引がすぐに再開されたのは、両国の関連産業がビジネス再開に意欲的であることを反映していると考えられる。
 独立系のレアアース産業アナリストであるWu Chenhui氏によれば、中国のジスプロシウムやテルビウムなどの重希土類の約半分がミャンマーからのものである。同氏によれば、ミャンマーには、中国の贛州に似たレアアース鉱山がある。また、中国は長年の広範な開発の後、多くの技術を把握しているため、中国のレアアース産業を大規模な投げ売りから精錬加工へと転換しようと努力している時期でもある。
 またWu氏によると、2021年の初めから価格が上昇していた中国では、レアアース取引の再開により、少なくとも数か月間は価格が下がる。下落幅を予測するのは難しいが、10~20%以内に収まるかもしれない。
 他方で、贛州に拠点を置く業界関係者の話によると、レアアース上流の供給量が急速に増加しているため、短期的には価格が下落する可能性があるが、業界の労働力不足により、長期的には上昇傾向にある。輸出量は基本的には以前と変わらないが、海外のバイヤーが大量にレアアースを購入した場合、中国の輸出業者は需要に追いつけないかもしれない。
 また、価格上昇の重要な理由の1つとして、中国政府がグリーン開発に力を入れていることで、中国のレアアース鉱石および製品の需要が急増していることが挙げられる。レアアースは、製品の性能を高めるために、バッテリーや電気モーターなどの製品に広く使われている。
 しかし同氏によれば、ミャンマーが中国への輸出を再開すると、それに伴って中国のレアアース加工・輸出も増加するが、世界のレアアース供給構造に大きな変化はないため、市場への影響は限定的である。

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