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ニュース・フラッシュ

鉱種:
アルミニウム/ボーキサイト
2021年12月24日 北京 塚田裕之

中国:2022年、アルミナ生産規模拡張と国内資源枯渇でボーキサイト鉱石輸入量増加の見通し

 2021年12月20日付け現地報道によると、中国のボーキサイト鉱石輸入に関し、近年のアルミナ生産規模拡張に伴い、ボーキサイト鉱石需要が急速に増加している。
 中国国内の資源が枯渇傾向にあるため、中国のアルミ産業は原料のボーキサイト鉱石を輸入に依存している。2005年までは主にアルミナを輸入し、ボーキサイト鉱石の対外依存度は比較的低かったが、近年は国内にて輸入鉱石からのアルミナ生産にシフトしていることから、輸入鉱石の需要が伸びている。2011年その需要量は100百万tに達し、2018年に200百万tという新たなステージに入った。2021年の中国国内に建設したアルミナ生産能力は9,015万t/年、このうち輸入鉱石によるアルミナ生産能力は4,210万t/年で、46.7%を占めている。需要量の比率は輸入鉱石が117百万t、国産鉱石が110百万tで、それぞれ52%、48%である。
 アルミナの生産地は、主にボーキサイト資源のあるエリアを中心として、山東省、山西省、河南省、広西チワン族自治区、貴州省、重慶市、雲南省及び内モンゴル自治区の8省区にある。そのうち、貴州省、雲南省の企業は主に国産鉱を用い、山東省、重慶市の企業は主に輸入鉱石を用いている。山西省、河南省、広西チワン族自治区及び内モンゴル自治区の企業は輸入鉱石の割合が年々増えている。
 2022年、中国国内で新規建設が完了するプロジェクトの生産能力は6.6百万tで、大半は沿海部にあり、主に輸入鉱石を使用する。このうち2022年上半期に稼動予定なのは、博賽鉱業集団、靖西天桂アルミ有限公司、河北文豊鉄鋼有限公司の3社のプロジェクトで、生産能力は計5.2百万tである。2022年、輸入鉱石を原料としたアルミナ生産能力は計4,730万tで、輸入鉱石の需要量は132百万tに達する予想である。
 中国国内のボーキサイト資源の枯渇状況については、長年の大規模開発に加え、環境基準の厳格化が鉱山の採掘活動に多大な影響を与えている。今後、山西省や河南省の企業は、輸入鉱石割合の増加が避けられないとみられる。よって2022年、中国のボーキサイト鉱石輸入量は、対前年比約20%増加の見通しである。

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