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ニュース・フラッシュ

鉱種:
リチウム
2022年1月5日 リマ 初谷和則

ボリビア:リチウム直接抽出実施8社の概要と専門家の見方を紹介

 2021年12月26日付け現地紙は、ボリビアリチウム公社(YLB)がリチウムの直接抽出(EDL)の試験実施に向けて選定した8社について、以下のとおり紹介した。
(1)CATL社(Contemporary Amperex Technology社、寧徳時代新能源科技股份有限公司)
 ドイツ東部Turingia州にリチウムイオン電池工場を建設した中国の電池メーカー。EDL試験では、世界のベースメタル・レアメタルの採掘と販売を専門とするCMOC社(China Molybdenum社)と連携する。
(2)Fusión Enertech社(聚能永拓科技開発有限公司)
 数年前に企業団の一員としてボリビアを訪れた中国企業。Uyuni塩湖で推進しているパイロットプロジェクトを視察するために、ボリビア政府関係者との会合に参加した。
(3)EnergyX社(Energy Exploration Technologies社)
 世界的な持続可能エネルギーへの移行において世界のリーダーになるというミッションの下で2018年に設立された。革新的なリチウム抽出および直接処理技術、効果的なバッテリーとエネルギー貯蔵ソリューションを使用したクリーンエネルギーの貯蔵を目指している。技術本部は米TX州Austin、本社はプエルトリコにある。ボリビア、チリ、アルゼンチンでの取り組みは、リチウム抽出の技術開発を行い、供給を増やす長期戦略の一部であるとしている。
(4)Tecpetrol社
 エネルギーの探査、生産、輸送、流通、生成を専門とするアルゼンチン企業。
(5)Lilac Solutions社
 米CA州Oaklandを拠点とするリチウム抽出技術会社で、かん水からのリチウム生産を高効率、最小コスト、最低レベルの環境影響で行う独自のイオン交換技術を開発した。
(6)CITIC Guoan Group社(中信国安集団有限公司)
 過去にボリビアで事業参入を試みた中国企業。特に、金融、電気通信、観光、資源開発、鉱業、化学プラントで事業を展開している。
(7)TBEA Group社(特変電工股份有限公司)
 これまでに、Pastos Grandes塩湖とCoipasa塩湖の産業化に向けYLBと共同企業設立に向けた文書に署名した中国企業。
(8)Uranium One Group社
 主に鉱業および金属分野で事業展開している国際的なロシア企業TENEX社(ROSATOMが設立)の一部であり、カザフスタン、米国、タンザニア、ナミビアなど世界中に多様な資産ポートフォリオを持つ世界最大のウラン生産者の1つ。
 また同記事では、以下の専門家の見方も紹介している。
 Dionisio Garzón元鉱業大臣:技術移転には費用が掛かるため、選ばれた企業は必ず高い金額で提案するだろう。全てが順調に進んだとしても、試験と産業化は別であるため、プロジェクトは2025年頃にならないと準備ができないだろう。選ばれた企業は、中Tianqi Lithium社(天斉リチウム業股份有限公司)や米Albemarle社のような大手企業ではないが、技術力はある。これまでリチウム原料生産者はほんの少しの利益しか得られなかったことから、今後は付加価値のある製品を生産することが重要である。
 Héctor Córdovaボリビア鉱山公社(COMIBOL)元総裁:選ばれた企業はいずれも名声を有しているが、Uyuni塩湖のかん水はリチウム濃度が低いため、EDLという新技術の適用ができなければメリットある事業にならない。事業成功には、既に進められている炭酸リチウムと炭酸カリウムのパイロット事業に新技術をどうリンクさせるか、産業化にどう取り組むのかという2つの戦略の定義が必要となる。2019年までリチウムを担当していたグループは、電池工場への原材料供給には41の工場が必要であると予想したが、これら工場で使用される原材料とエネルギーが確保できるか否かを評価しなければならない。
 Álvaro Ríos元炭化水素大臣:EDLを担当する企業の最終決定には、特定の国との政治的親和性ではなく、技術的基準を優先すべきである。対立を生まないよう、意志決定とそのプロセス全体についてPotosí市民のコンセンサスを得るべきであり、そのためにはPotosí市出身の技術者を参加させ、新技術が選択された理由とその適用方法を市民に知ってもらうことが重要である。また、化石燃料からのエネルギー転換にリチウムは必須で、ボリビアは傍観者であってはならず、リチウムを輸出しないと国は滅びる。プロセス全体を効率化し、ロイヤルティ、税金と付加価値を生むビジネスにしなければならない。

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