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- リチウム
中国:炭酸リチウム価格、新エネ車の需要増や供給不安により30万元/t目前まで高騰
2021年12月28日付け報道によると、炭酸リチウムの3か月先物価格が29.45万元/tと、30万元/tが目前に迫る高値をつけている。四川西部地域など一部リチウム鉱山企業では、既に30万元/tで取引が行われる場合もあるという。
2021年11月、新エネルギー車の生産販売台数が初めて単月で40万台を超えるなど、販売が好調なことで、そのバッテリー原料となるリチウム塩類の価格が高騰しているという。これに伴い、車載用電池生産も着実に増加している。中国自動車用駆動電池産業革新連盟によると、2021年11月、中国の新エネルギー自動車用駆動電池生産量は対前年同月比121.8%増の28.2GWhであった。
こうした急激な需要増に対し、電池の原料となりリチウム鉱石やリチウム塩類等は、短期間内に供給課題を抱えている。メーカーが集中する各地域における電力規制や、青海省での冬期暖房利用に係るガス規制が、炭酸リチウム生産に影響を与えている。さらに、一部のメーカーが年度定期点検に入ることも、リチウム塩類の供給に影響を及ぼす可能性があると指摘されている。
海外のリチウム鉱石供給も減少傾向で、既存プロジェクトの生産拡張や新規生産も2021年末~2022年末に開始する予定であることから、2022年のリチウム供給は逼迫傾向が継続する可能性がある。
