フランス：フランス政府、重要金属の供給確保に関する報告書を受領、1b€規模で支援プロジェクトの募集を開始

　2022年1月10日付けのメディア情報等によると、同日、フランス政府Barbara Pompiliエコロジー転換大臣及びAgnès Pannier-Runacher経済財務再興大臣付産業担当大臣に対し、重要金属（バッテリー金属、レアアース）の供給確保に関する報告書が提出された。本報告書は、France Industrieの前代表であり自動車大手の仏PSA社（現Stellantis社）の会長などを務めたPhilippe Varin氏が、政府の依頼を受けて作成したものである。報告書では、精錬、加工等中間的な工程をフランス国内で受け入れ可能にすることや、鉱山開発へ資金供給する投資ファンドの設置について勧告している。このほか、社会・環境責任を全うした鉱山開発の推進に向け、EUの協力を得て国際的な標準を確立する努力も必要だと指摘している。報告書本体は、産業上の機密データが含まれているため非公開となっている。
　また同日、両大臣はBpifrance（仏公的投資銀行）を通じて、France 2030の枠組の中で支援する関連プロジェクトの募集を開始すると発表した。合計1b€の予算を同分野のプロジェクトに供給する計画で、うち半額は補助金、半額は出資の形で行う。報告書では具体的に、北仏Dunkerqueにバッテリーの拠点を、南西地方のLacq市（Pyrénées-Atlantiques県）にレアアースマグネットの拠点を整備するよう勧告している。