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ニュース・フラッシュ

鉱種:
ニッケル
2022年1月25日 北京 塚田裕之

ミャンマー:中色ニッケル業、達貢山鉱山の電力供給が途切れ生産停止も、中国への影響は限定的

 2022年1月20日付け報道によると、2022年1月7日、中色ニッケル業(ミャンマー)有限公司(以下、中色ニッケル業)の達貢山(Tagaung Taung)ニッケル加工工場に電気を供給していた、Sagan地域にある3か所の発電塔が爆破され、生産停止した。Mandalay市Thabeikkyinにある達貢山ニッケル鉱山から加工工場のあるTigyaingまで、約5,000t/日のフェロニッケル鉱石を輸送している。国民防衛隊(PDF:People Defence Force)がこの爆破事件の責任を負うと発表、在ヤンゴン中国大使館はこの事件について政府に抗議したが、詳細は分かっていない。
 中色ニッケル業の達貢山ニッケル鉱山は、中国・ミャンマー両国政府が共同開発した初の大規模鉱業プロジェクトである。ミャンマー政府は資源環境保護省の第一鉱業会社を通じ鉱物資源を提供、中色ニッケル業はプロジェクトの投資、建設、生産、運営を担い、その権益は中国有色鉱業集団有限公司が60%、太原鋼鉄集団が40%保有する。
 近年、達貢山プロジェクトの生産量は2~2.1万t/年程度であり、2021年は設備点検により対前年比20%減少した。現在、インドネシアNPIプロジェクトの生産量は1,700~2,000t/月程度と増加傾向にあるため、達貢山プロジェクトの中国へのNPI供給に対する影響は限定的とみられる。

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