ニュース・フラッシュ
- 鉱種:
- 鉛 亜鉛
中国:2021年中国鉛・亜鉛鉱山の生産状況と2022年の見通し
2022年2月8日付け現地紙は、2021年、新型コロナウイルス(以下、コロナ)感染拡大による中国国内の鉛・亜鉛鉱山への影響がほぼ無かったことから、精鉱の供給がコロナ前水準の通常に戻った可能性がある中、鉛・亜鉛の生産について以下のとおり報じている。
安泰科は、中国国内の41社、70か所以上の鉛・亜鉛鉱山の生産量を調査した。その結果、2021年、調査対象企業の鉛精鉱生産量は計61.9万tで、対前年同期比1.5万t(2.5%)増加した。亜鉛精鉱は計196.9万tで、同3.1万t(1.6%)増加した。安泰科のこれを踏まえた国内鉛・亜鉛精鉱の生産量推定値は、鉛精鉱が196.4万tで対前年比1.1%増加、亜鉛精鉱が413.6万tで同1.9%増である。
安泰科によると、烏拉根(新疆)、乾金達(内モンゴル)、廠壩(甘粛省)、宝山(湖南省)などの鉛・亜鉛新規プロジェクトや拡張生産プロジェクトが予定の生産量に達したほか、内モンゴル、湖南省、四川省などの中小規模鉱山の生産が通常に戻り、2020年のコロナによる生産減少分を補足、2021年の鉛・亜鉛精鉱の生産量増加の基盤を築いた。しかし、一部の地域ではエネルギー消費量の削減、電力規制による生産抑制措置を実施したほか、一部大規模鉱山の品位が低下、許可証の期限満了後の更新等により、一定程度減産した。湖南省、広西省、四川省等では、段階的な業界再編を終えていたが、採掘が難しく鉱石の属性も多様なため、生産が伸びなかった。全体的には、国内の大規模鉱山企業の生産は不安定だが、鉛・亜鉛精鉱生産は小幅な伸びを維持した。
2022年は、金属価格が比較的高水準で推移すると予測されるため、国内の鉛・亜鉛精鉱の生産量は増加の可能性がある。しかし、国内の新規または拡張プロジェクトの数が少なく、鉱石の品位が低下する等、問題点も指摘されている。このことから、2022年中国の鉛・亜鉛精鉱の生産はそれぞれ対前年比1.0%増の198.5万t、1.1%増の418.0万tと予想された。
