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メキシコ:加Almaden Minerals社の鉱業権をめぐる訴訟、先住民コミュニティが勝訴、鉱業権取り消しを命令
2022年2月16日付け報道によると、加Almaden Minerals社がPuebla州に保有する2件の鉱業権に関するアンパロ訴訟(憲法権利保護請求)で、最高裁判所は両鉱業権の取り消しを命じる判決を下した。Almaden社は同州にIxtaca金・銀プロジェクトを保有するが、地元のTecoltemi先住民コミュニティが、開発により重大な環境問題が引き起こされる可能性を主張したほか、鉱業法では先住民事前協議が義務付けられていないことから、同法が憲法に反すると主張しアンパロ訴訟を提起していた。今回の判決では、全会一致で同コミュニティの権利が侵害されたと判断された。Ixtacaプロジェクトをめぐる訴訟は2015年より継続していたが、今回の判決に関し、TecoltemiコミュニティとNGO組織は声明にて、先住民に与えられた権利の侵害を裁判所が認め、鉱業権取り消しを命じた初めてのケースであったと強調した。一方、鉱業法の違憲性については、5人中4人の判事が合憲と判断し、判決草案の中で、鉱業法の目的は先住民の権利保護ではなく鉱業活動を規制することであり、よって先住民の利益と権利に直接関係するものではないとの判断が示された。
Almaden社の声明によると、判決草案の中で経済省に対する命令として、Almaden社に付与された鉱区権の無効を宣言し、同省が先住民との協議に必要な手続きを実施した後に鉱区権を再発行するよう記載されている。同社は本判決が鉱区に与える影響を十分に理解しており、最終判決文を待ったうえで今後のステップを検討すると発表した。