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2022年3月4日 リマ 初谷和則

エクアドル:Azuay県Cuenca市の水源涵養域設定、同市市長は現行の鉱業活動も阻止できると主張

 現地紙によると、2021年2月7日、Azuay県Cuenca市を流れる川の源流域における鉱業活動禁止の賛否を問う住民投票が実施され、その結果、禁止賛成票が多数であったことから、憲法裁判所の判決に基づき、環境・水資源・エコロジー転換省は2021年12月22日、Cuenca市及びその周辺において、中~大規模鉱業活動を禁止する水源涵養域1,919.37km2を設定する政令を発布した。
 当該涵養域には、現在有効な金属鉱業の権益が22件存在するとされている、その中には、Ecuagoldmining社のRío Blanco金プロジェクトや、加Dundee Precious Metal社のLoma Larga金プロジェクトの権益も含まれている。
 憲法裁判所は法の確実性を保証するため、政令発布の影響は将来にしか影響を及ぼさないことを明確化している。そのため、Azuay県鉱業会議所Vargas会頭は、現在有効な権益が国に戻されることはなく、涵養域設定の影響を受けないとコメントした。
 一方、Cuenca市のPalacios市長は地元のラジオインタビューの中で、たとえ以前からの権益であろうと涵養域の中で鉱業活動を続けることは許さないとし、「遡及することよりもずっと大切なことがある。それは生命(vida)の基本的権利である。」と発言した。また、当該地での鉱業活動を阻止するため、必要とあれば、反政府デモを主導するとも述べた。
 Vargas会頭は、市長と市議会が鉱業活動を阻止するのならば、鉱山会社に対して何百万US$もの賠償金を支払うことなり、例えばRio Blancoのケースでは800mUS$という数字が出ていると述べた。また、鉱業セクターは住民の意思を踏みにじるようなことは決して望んでなく、唯一望んでいるのは、憲法裁判所の判決が厳格に履行されることであるとコメントした。

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