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ロシア:パラジウム及びニッケルの供給制限は自動車産業に影響する
2022年2月25日付けの地元報道等によると、ウクライナでの軍事作戦を背景とする新たな対露経済制裁から、専門家は既に世界の自動車産業全体の危機を予測している。
ロシアは、自動車産業で広く使用されているニッケルやパラジウムなどの金属について世界最大の供給国である。ニッケルは電気自動車(EV)のリチウムイオン電池(LIB)製造に必要であり、パラジウムはガソリンエンジン及びディーゼルエンジンに搭載される触媒コンバーターに使用されている。
Putin大統領が西側に対して制裁対抗措置を課し、パラジウムの供給を制限した場合、自動車メーカーは代替サプライヤーを探さなければならなくなる。代替先が見つからない場合、内燃機関を搭載した自動車の生産が不可能となる。
Guidehouse Insights社のアナリストは、「南アとジンバブエもパラジウムを大量に生産しているが、パラジウム価格は絶え間なく上昇しており、新車販売価格の上昇につながる。またニッケルの不足により、ガソリン車からEVに置き換える計画が脅かされることになる。」としている。
ウクライナでの軍事作戦に起因するルーブルの下落や今後の制裁は、ロシアの自動車市場に深刻な影響をもたらす可能性がある。新車販売価格の高騰に加え、一部の国際的な自動車メーカーの撤退もあり得る。
