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2022年3月17日 バンクーバー 佐藤すみれ

メキシコ:アンパロ訴訟による鉱業権取消し、投資不確実性の高まりが懸念

 2022年3月15日付け地元紙は、メキシコ最高裁判所が加Almaden Minerals社の鉱業権取消しを命じたアンパロ訴訟(憲法権利保護請求)に関し、Baker McKenzie法律事務所のパートナー弁護士であるJorge Ruiz氏に対するインタビューを掲載した。Puebla州Tecoltemi先住民コミュニティは、国際労働機関(ILO)169号条約(1989年の原住民及び種族民条約)の事前協議規則が遵守されなかったこと等を理由にAlmaden社の鉱業権2件の取消しを求め訴訟を提起し、2022年2月に一部勝訴した。Ruiz弁護士は、同社が主張するように、経済省に対し鉱業権申請が行われた時点で、当局が事前協議を実施すべきであったと指摘した上で、Almaden社に鉱業権が付与された以上、同社の権利が優先されるべきとの考えを示した。また、今回の判決が他のプロジェクトに影響を及ぼす可能性について、アンパロ訴訟で下された判決は、法律や法的拘束力のある判例にはならず、判例法として認められるためには5回に亘って同じ判決が下される必要があると説明した。さらに、グアテマラではNGO団体が先住民権利保護を訴えたことにより、国内の主要鉱山が一時操業停止となったが、同弁護士によると、メキシコにおいても確実に同様のリスクがあり、すでに採掘を行っている鉱山であっても訴訟の対象となる可能性があるという。また、ILO169号条約は、他のILO条約と同様に、個人や民間企業だけでなく、政府にも尊重する義務があるものの、メキシコにはこのような協議を制度的に実施するための規制と意欲が欠けていると指摘した。更に同弁護士は、鉱山会社が鉱業権や地表権、その他のあらゆる必要許可を取得していたとしても、既存のプロジェクトに法的な曖昧さがある限り、投資家の考えに影響しかねず、今回の判決によって生じた矛盾を解決することはメキシコにとって望ましいとして意見した。

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