加：カナダ鉱業協会が年次報告書を公表、低炭素化社会に必要な鉱物に対する更なる政府支援を呼び掛け

　カナダ鉱業協会（Mining Association of Canada：MAC）は2022年3月9日、同国鉱業界の最新動向や政策提言をまとめた年次レポート「Facts & Figures 2021」を公表した。レポートによれば、2020年の同国鉱業セクターの名目GDPは全産業の5％に当たる107bC$であり、輸出総額は全体の21％を占める102bC$であった。鉱業ファイナンスのハブとされるトロント証券取引所（TSX）およびTSXベンチャー取引所では、世界の鉱業資本市場のうち34％、7.5bC$相当の資金調達が行われ、引き続き鉱業界が経済に大きく貢献していることが述べられた。一方で、カナダはニッケル生産量で他国に後れを取っているほか、有望な新規ベースメタル案件を発掘できていないなど、かつての「鉱業大国」としての地位を失いつつあると警告。地政学的緊張がこれまで以上に高まる中においては、機をつかむことが重要とした上で、クリティカルミネラル（重要鉱物）の開発に焦点を当て、北部準州におけるインフラ整備や探鉱費税額控除の拡大、予測可能で一貫した政策・規制が同国を長期的な成功に導くと提言している。