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ニュース・フラッシュ

鉱種:
2022年3月25日 バンクーバー 佐藤すみれ

メキシコ:主要銅プロジェクトの開発見通し

 2022年3月23日付け専門紙は、国内の主要銅プロジェクトの最新動向を以下のとおり報じた。
・El Arco銅プロジェクト(米Southern Copper社、Baja California州)
 CAPEX 2,900mUS$、年間生産量は最大で銅190千t/年、金3.27t/年(105千oz)と試算されている。必要な土地の取得とベースライン調査を完了しており、現在は環境影響評価申請のため基礎エンジニアリング評価が進められている。生産開始時期は2028年との見込みであるが、Southern Copper社は投資額を削減し、開発を加速させるべく選択肢を検討している。同社財務責任者によると、複雑なインフラの課題が存在するものの、投資額を当初の見積もりから大幅に削減する可能性を見出しており、慎重な評価を進めていることを明らかにした。
・La Verde銅・金・銀プロジェクト(加Solaris Resources社、加Teck Resources社、Michoacán州)
 Solaris Resources社が2018年に発表した予備的経済評価(PEA)によると、CAPEX 1,160mUS$、銅生産量100千t/年、マインライフは19年と発表されている。しかしながら、同社は2021年5月のニュースリリースにて、2018年版PEAはNI43-101に準拠しておらず、これに準拠した報告書が発表されるまでは同PEAに依拠するべきではないとして情報をアップデートした。2021年のテクニカルレポートにおいては、La Verdeプロジェクトは同社にとってメリットであり、順次進めていく予定と記載されているほか、課題に対処するため追加掘削、地質学的調査、環境・社会ベースライン調査を中心に、4mUS$の投資を提言している。
・San Nicolás多金属プロジェクト(加Teck Resources社、Zacatecas州)
 CAPEX 842mUS$、生産量は銅65.8千t/年、亜鉛91千t/年、マインライフ15年、生産開始時期は2026年と試算されている。同社は2022年第1四半期にFSに着手し、2023年第4四半期の完了を目指す。
・El Pilar銅プロジェクト(Southern Copper社、Sonora州)
 CAPEX 310mUS、生産量は銅カソード36千t/年と試算されており、生産開始時期は2023年から2024年へ後ろ倒しとなった。。浸出試験では良好な回収率が確認されたほか、基礎エンジニアリングが完了しており、現在は現地での環境影響評価が継続している。
・Pilares銅プロジェクト(Southern Copper社、Sonora州)
 生産目前となっており、採掘に係る許可申請準備が進められている。CAPEX 159mUS$、銅生産量35千t/年と試算され、採掘される鉱石はLa Caridad銅鉱山で処理される計画である。

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