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ニュース・フラッシュ

鉱種:
ニッケル
2022年3月30日 ジャカルタ 白鳥智裕

インドネシア:国内のニッケル鉱石は供給過剰か

 インドネシアのニッケル鉱業者協会(APNI)によると、国内のニッケル鉱石生産は現在、供給過剰である。鉱石生産量に対して、国内で稼働している製錬所のニッケル鉱石の投入能力若しくは需要が見合っていない模様。
 APNI事務局長のMeidy Katrin Lengkey氏は、ニッケル採掘活動が盛んな南Sulawesi州、南東Sulawesi州、中部Sulawesi州、北Maluku州など、少なくとも4つの州でニッケル採掘活動が盛んであると指摘し、4つの州に関しては、政府によって取り消される前に、328のニッケル鉱業事業許可(IUP)があった。そして、4つの州には81のニッケル加工事業体がある。もし、328のIUPに関して2022年作業・予算計画(RKAB)が申請されれば、ニッケル鉱石の供給は既存のニッケル製錬所の需要を確実に上回る。
 製錬所からのニッケル鉱石の需要は、2021年までを振り返ると、年間72百万wmtである。Meidy氏は、328の各IUPが最低でも年間500千tのRKABが認められた場合、ニッケル鉱石の総供給量は164百万tになるとして、2022年3月22日の下院(DPR)のエネルギー・鉱業委員会VIIとのヒアリングミーティング(RDP)で述べた。
 他方で、鉱業事業者はジレンマに陥っている。2022年中にRKABを提出しなければ、政府によるIUPの取り消しの恐れが出てくるからである。しかしながら、「今は(RKABを提出することは)無理だ。もし、ニッケル鉱石の輸出ができるのであれば、皆RKABを沢山出しているだろう。しかも、現在、ニッケル価格は非常に高騰している。」と語った。

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