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2022年4月1日 リマ 初谷和則

ペルー:鉱業コンサルタント、社会争議の対応を担う政府機関における左派政党の職員増加を警告

 2022年3月24日に行われたペルー鉱業技師協会(IIMP)主催のウェビナーで、鉱業における社会争議をテーマに講演した鉱業コンサルタントDiálogo Social社のディレクターは、現政権の開始後、ペルーにおける社会争議対応は極度に政治化されて有効な対策が行われておらず、鉱業をはじめとする重要セクター、ひいては国に弊害をもたらしていると述べた。
 また、エネルギー鉱山省(MINEM)では実質的な粛清が行われ、既に前政権時までに契約された職員の65名が退職し今後さらに100名が退職予定であるほか、一例として社会対策室では専門的な職員が退職となり、Peru Libre党をはじめとする左派政党党員が十分な専門性を持たないにもかかわらず入省しているとコメントした。さらに、MINEMだけでなく社会争議に対応する首相府(PCM)や内務省などの主要政府機関においても左派党員による占有が進んでいると警告した。
 加えて、現在MINEMは不法(インフォーマル)業者を支援し、合法企業による不法企業からの鉱石などの購入を推進しようとしているようだとコメントした。
 そして、社会争議発生を専門とする特定の報道機関やNGO、政治的オペレーターは、共通の目的のもと連通管のように互いに繋がっており、全国的に大規模鉱業を不安定化させているほか、これら組織は主に(1)水源域(cabeceras de cuenca)、(2)「農業にイエス、鉱業にノー」、(3)経済的対価、(4)重金属汚染の4つのテーマや主張を盾に活動していると説明、例えばAyacucho州では水源域、Cusco州では重金属汚染や経済的対価、Arequipa州では水資源汚染などを中心とした主張を展開していると述べた。またこのような南部の州においてこれら組織は非常に良く連携しており、ここ半年間における争議増加の原因となっていると分析、一例としてCusco州では再び南部鉱物輸送道の封鎖が発生し、Las Bambas銅鉱山(Apurimac州)への対価や道路のカテゴリー変更要求が行われていると述べた。
 さらに、全ての争議エリアにおいて法治国家の存在が失われ、政府はコミュニティやその指導者の前に権威を失っているとコメント、Castillo政権下で新たに発生した社会争議は34件にのぼる一方で解決したのはわずか4件であると述べた。さらに多くの争議が激化する傾向にあり、その一因は選挙期間中のCastillo大統領候補(当時)が掲げた様々な公約にあると指摘した。

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