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ニュース・フラッシュ

鉱種:
タングステン
2022年5月11日 ジャカルタ 白鳥智裕

ベトナム:Masan High-Tech Materials社、2021年の収益が増大

 2022年4月26日付けの現地メディアによると、Masan High-Tech Materials(MHT)社は、独H.C. Starck(HCS)社の統合と2022年のタングステン価格の上昇により、2021年の純収入が86%増加し、13.5tVND(ベトナムドン:約:586.9mUS$)以上に達したと発表した。2022年5月2日に首都Ha Noiで開催された年次株主総会で、中国を除き世界最大のタングステン鉱山である同社子会社のNui Phao Mining社は、2020年から97%の増産を記録したと発表した。タングステンの生産は、タングステンスクラップのリサイクルからが26%、Thai Nguyen省Nui Phao鉱山の一次供給源からが74%であった。同社によると、2021年のパラタングステン酸アンモニウム(APT)価格は286US$/MTUに達した。2020年は222US$/MTUであった。
 MHT社のCraig Richard Bradshaw CEOは「MHT社は、世界的なCOVID-19の大流行とその後の世界のサプライチェーンと輸送システムへの混乱という困難にもかかわらず、2021年に力強い業績を達成した。タングステンの生産量とリサイクル率の記録とともに、年間で記録的な収益を達成した。」と述べた。
 MHT社は、2021年、ドイツ、カナダ、中国で展開するHCS社のタングステン事業プラットフォームを統合したことにより、HCS社の100年を超える経験を享受するとともに、経営効率の向上と事業および製品ポートフォリオの拡大を目的としたグローバルな事業再編を推進した。
 HCS事業はEBITDAが746bVND、ベトナムのNúi Pháo Mining社とMasan Tungsten Limited Liability Company(MTC)が2.3tVNDで全体の業績に大きく貢献した。
 Masan Group社のDanny Le会長は、「近い将来、MHT社は、戦略的ハイテク素材のサプライヤー以上の存在となり、消費者技術プラットフォームと提携し、タングステンが重要な要素となる消費者直結型の製品を生み出すだろう。最も重要なことは、これらの製品をリサイクルして、持続可能性と生産性を促進する循環型プラットフォームを構想していることである。」と述べた。

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