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ニュース・フラッシュ

鉱種:
2022年5月16日 リマ 初谷和則

ペルー:Las Bambas銅鉱山の操業停止継続、協議会実施も結果は不調

 Las Bambas銅鉱山(Apurimac州)では、地域住民による敷地への侵入・占拠により2022年4月20日から操業が停止され、2022年4月27日にペルー政府は非常事態宣言を発令後、警察が占拠を行っていた住民の強制排除を行ったものの、これに反発した住民らが鉱山の占拠を再開し膠着状態が続いている。
 2022年5月10日付け現地紙によると、同日協議会が実施されたが、予定されていたTorres首相の出席が中止されたことに地域コミュニティが反発、首相府副大臣が代理出席したものの合意は実現しなかった。なお、協議会に出席したコミュニティ代表者らは、政府が非常事態宣言を解除しない限り操業再開は容認しないと表明した一方、MMG Las Bambas社のOrderique操業担当GMは、操業再開できない間、非常事態宣言は継続されるべきとの見解を示した。
 このような中Apurimac州のLantaron知事は、同州を訪問したCastillo大統領に対して、首相が協議会出席の約束を履行するべきだとして厳重に抗議した。
 また、2022年5月9日付け現地紙によると、Las Bambas銅鉱山やその他同州内の鉱業プロジェクトからの精鉱輸送を目的とした、頻繁に閉鎖される南部鉱物輸送道に替わる「アンデス横断経済道(Corredor Economico Transandes)」プロジェクトに関して、Lantaron知事は、既にMMG Las Bambas社、First Quantum社(Haquira銅プロジェクト)、Molle Verde社(Trapiche銅プロジェクト)、Minera Ares社、Minera Horizonte社など複数の鉱山企業から本プロジェクトへの支持を表明する基本合意書(LOI:Letter of Intent)を受領したほか、州内の17のコミュニティからも賛同を得ている旨明らかにした。その上で、Apurimac州政府は技術文書の作成を進めているとし、Castillo大統領に対して運輸通信省を通じた本件への予算付与を要請したと述べた。

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