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ニュース・フラッシュ

鉱種:
コバルト ニッケル リチウム
2022年5月16日 北京 忽滑谷諒子

中国:新型コロナウイルス感染拡大による非鉄産業への影響

 2022年5月9~10日付け現地紙にて、中国国内でのオミクロン株の感染拡大を受け、都市封鎖など厳格な防疫管理が継続し、物流の停滞や工場の操業停止等、経済活動への影響が報告されている。安泰科は、非鉄金属事業者らに国内需給や輸出入の状況について聞き取り調査を行い、現状について以下のとおり報告している。

ニッケル 供給:電解ニッケルの主要生産地である甘粛省と新疆ウイグル自治区での影響は限定的。安泰科の調べでは、2022年4月の生産量は11,953t(対前年同期比8.2%減、対前月比5.9%減)であるが、これは一部企業の定期点検が影響したと考えられる。
需要:国内消費は主にステンレス鋼と動力電池に集中。2022年4月のステンレス鋼生産量は前月比でやや減少し、価格が上昇した。今後も上昇が続けば、他の鋼材やアルミ材への代替が進み、中長期的に需要を失う可能性がある。
リチウム 供給:国内リチウム開発への影響は限定的。江西省、四川省、青海省などの生産拠点は現在も月次生産量を伸ばし、高い稼働率で操業を継続。
需要:電池産業や新エネルギー産業からの発注が減少。これらの産業が感染拡大のみられる長江デルタ地域に集中していることが原因。
貿易:中国は水酸化リチウムの純輸出国であり、危険物取扱の観点から国外への輸出はすべて上海の税関を通る必要がある。2022年3月末以降の同市の封鎖管理により2022年4月の税関データは大幅な下落が見込まれる。
供給:内モンゴル自治区、チベット、青海省など、鉛・亜鉛鉱山がある地域の多くは人口密度が低く生産活動への影響は限定的。広東省、上海などの封鎖管理により物流輸送が停滞し使用済鉛蓄電池(二次鉛材料)の回収が滞っている。
需要:再生鉛精錬事業者は原料調達ができないため稼働率を下げて操業。
貿易:2022年1~3月の鉛蓄電池輸出は対前年同期比15.6%と増加したが、防疫管理等により輸送期間が長期化し、滞納金支払など資金面での企業負担が増えている。
コバルト 供給:2022年1~4月の中国のコバルト精錬生産量は対前年同期比3.43%減の約4万tだった。2022年3月までの生産量は同比1.1%減程度でほぼ通常どおり推移したが、2022年4月以降は感染拡大により工場の減産や停止、原料高騰が重なり、2022年4月生産量は同比7%減であった。
需要:感染拡大による新エネ車販売不振は原料の需要に直接的な影響を与える。ただし、長期的には新エネ車需要の発展拡大は揺るがない方向であり、感染拡大収束後には需要が回復する見通し。
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