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2022年5月24日 バンクーバー 佐藤すみれ

メキシコ:鉱山労組、労働法改正による労働者分配利益の上限設定を違憲としアンパロ訴訟へ、Grupo México社は上限撤廃でスト回避

 2022年5月20日付け報道によると、全国鉱山冶金労働組合(FRENTE)は、2021年4月に公布された労働法改正による労働者分配利益(PTU)の上限設定について違憲と主張し、数日以内に集団アンパロ訴訟を提起する意向を明かした。PTUは、一定の企業利益を労働者に分配する制度で、企業の課税所得の10%に一定の調整を行った額を従業員へ分配する義務が課されているが、改正によって労働者の給与の3倍、もしくは過去3年間のPTU受給額の平均のいずれか高い方を上限とすることが可能となった。しかしながら、FRENTEのCarlos Pavón事務総長によると、この上限によって2021年のPTU受給額が最大で80%減少したと指摘した。また、憲法123条において、政府、企業、労働者で構成される委員会が利益分配率を定めることとされ、同委員会は企業が報告した年間利益の10%と分配率を定めていることから、改正法は違憲であると主張した。
 なお、墨Grupo México社は改正法が施行されて以降、PTUをめぐる労使協議を多数実施している。Buenavista銅鉱山の労働者に対する報酬をめぐっては、メキシコ労働組合連盟(CTM)との協議の末、PTU10%相当の還元を行うことで合意した。地元紙によると、これにより同鉱山労働者に対する2021年分のPTU分配額は過去最高額に達した。また、同社が保有するLa Caridad精錬所でも同様に、CTMがPTUの上限設定を不服とし、2022年4月および5月にストライキ決行を予告する状況に至っていたが、協議の末この上限を適用しないことに加え、給与支給額を7.5%増加させること等を条件に、2022年5月18日に労組と合意に至った。

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