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ニュース・フラッシュ

鉱種:
PGM(白金族)
2022年6月6日 ヨハネスブルグ 栗原政臣

南ア:Anglo American、ゼロエミッションとなる燃料電池搭載の鉱石運搬トラックを発表

 2022年5月6日付けメディアによると、Anglo Americanは持続可能な鉱業のためのイノベーションアプローチ、FutureSmart Miningの一環として開発された、同社初となるゼロエミッション水素燃料電池駆動の鉱石運搬トラックのプロトタイプを発表した。Limpopo州のMogalakwena PGM鉱山に配備された2MWの水素バッテリーハイブリッドトラックは、水素燃料電池で動く鉱石運搬用トラックとしては現在世界最大である。積載量は290tで、ディーゼルエンジンよりも高い出力が得られる。2,700馬力のディーゼルエンジンの代わりに、8個のパラレルタイプの燃料電池(合計837kW)と1.2MWhのリチウムイオンバッテリー(LIB)のハイブリッドシステムを搭載している。2019年にAnglo Americanは、エネルギー事業大手Engie社、エンジニアリング会社First Mode社、燃料電池メーカーBallard社、水素貯蔵会社NPROXX社とともに、ゼロエミッション鉱石運搬トラックの設計・開発プロセスを開始した。
 Anglo Americanのトラックからのディーゼル排出量はScope 1排出量の10~15%を占めており、2040年までにカーボンニュートラルなオペレーションを目指すAnglo Americanにとって重要なステップである、とAnglo AmericanのDuncan Wanblad CEOはコメントした。
 同社は2030年までに8つの鉱山で純排出量をゼロにすることを目指しており、そのためにはディーゼル燃料の約8割を消費するディーゼル燃料トラックを全て置き換える必要がある。従来の鉱石運搬用トラックは約3,500L/日のディーゼルを使用しており、年間では約100万Lに相当する。同社は、水素燃料電池トラックの開発とともに、MogalakwenaPGM鉱山で水素を生成・貯蔵する全体の水素エコシステムNuGen Zero Emission Haulage Solutionを構築した。同社の技術開発、鉱山、持続可能性の責任者であるJulian Soles氏は、この統合エコシステムについて、化石燃料依存から脱却した鉱石運搬を可能とし、ディーゼルと同等のトン当たりドルコストを目標とするだけでなく、固定インフラに縛られることなく現在と同じように柔軟に操業することができると説明した。
 Anglo Americanは、敷地内に3.5MWの電気分解施設と500bar(バール)の圧力で800kgの容量を持つ水素貯蔵タンクを建設した。燃料電池トラックには68kgの水素が積載でき、これは1~2シフトの運転に十分な量である。また、水素補給に要する時間は約9分である。Anglo Americanは、より多くのトラックが水素を搭載し商業運転を開始した後に燃料補給施設を拡張する予定としている。
 Wanblad CEOは、このパイロットシステムが成功すれば、この技術をグローバルに展開することで、露天採掘鉱山でのディーゼル排出量を最大80%削減できると述べた。
 南アAnglo American Platinum(Amplats)社のNatascha Viljoen CEOは、PGMは水素製造や水素燃料輸送を含む多くのクリーンエア技術において不可欠で触媒的な役割を担っていると述べ、水素は低炭素社会の実現に向け重要かつ広範な役割を担っているとした。

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