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ニュース・フラッシュ

鉱種:
アルミニウム/ボーキサイト
2022年6月8日 モスクワ 小松弘希

ロシア:中国からのアルミナ輸入が対前年同期比約900倍に拡大

 2022年6月1日付けの地元報道等によると、中国がアルミニウム生産の原料であるアルミナの、ロシアへの供給を拡大している。露Rusal社に対する制裁により、アイルランドやジャマイカからロシアへのアルミナ供給が途絶した2018年以来の大口供給となった。
 中国国家統計局のデータによると、ロシアによる中国からのアルミナ輸入量は、2022年1月に377t、同2月に320tであったのに対し、同3月に9,900t、同4月に123,800tとなり、前年同月である2021年4月の輸入量136tの約900倍の増加となった。
 なお、2021年通年の、ロシアの中国からのアルミナ輸入量は1,400tであった。
 ロシアにおけるアルミナの最大需要家はRusal社であり、同社が保有する9件のアルミナ製錬所においてアルミナを自給している。しかしながら、同社がほぼ全量をロシア国内で生産するアルミニウムと異なり、同社はアルミナ生産の63%について、ウクライナや豪州、ギニア等に保有する海外の製錬所に依存している。
 2022年3月1日、Rusal社は、「黒海及び周辺地域における物流・輸送上の不可避的な問題」を理由として、ウクライナのNikolaevアルミナ製錬所(年産1.8百万t、Rusal社のアルミナ総生産量の20%に相当)の生産を一時停止し、Nikolaev港からの出荷を停止した。ロシア国防省は、同地域におけるロシア軍による攻撃を報告しているが、現在ウクライナ軍の支配下にあり、同製錬所の被害は報告されていない。
 また、同年3月20日、豪州がロシアへのアルミナ及びアルミニウム鉱石の輸出禁止を発表した。Rusal社は、豪州のQueensland Alumina(QAL)社(Rio Tinto社がオペレーター、Rusal社が株式20%を保有)を通じて、同社のアルミナ総生産量の9%に相当する742千t/年のアルミナを生産しているが、豪州の制裁措置により、同国からのアルミナ調達も不可能となっている。更に、共同出資者のRio Tintoもまた、ウクライナ侵攻を理由として、ロシア企業との商取引関係を全て解消すると発表している。
 専門家は、今後Rusal社が中国からのアルミナ調達の増加を余儀なくされると分析している。

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