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ニュース・フラッシュ

鉱種:
リチウム
2022年6月21日 モスクワ 小松弘希

ロシア:Norilsk Nickel社、Murmansk州Kolmozerskoeリチウム鉱床の開発のため先住民族との協議を開始

 2022年6月8日付けの地元報道等によると、Norilsk Nickel社は同月、ロシア最大のリチウム鉱床であるKolmozerskoe鉱床の開発見通しについて、Murmansk州Lovozero町及びKrasnoshchelie町の先住民族の各代表との間で予備協議を行った。同協議には、サーミ人、ネネツ人、コミ人のほか、トナカイ牧場関係者、政府当局、国営原子力企業Rosatom社の各代表者や先住民族の権利に関する専門家などが参加した。
 協議の主な目的は、Norilsk Nickel社と先住民族の双方向の対話を確立すること、地域自治体の代表に対し、現在検討中のプロジェクトに関する情報提供を行うこと、先住民族側からの提案やコメントを聴取することである。
 Norilsk Nickel社は近々、先住民の伝統工芸や聖地、埋葬地などに関するあらゆる情報を収集・検証することで、プロジェクトの影響を受ける可能性のある人々を特定し、当該地域の詳細な地図を作成していく意向を示した。また同社は、国際的な監査基準に従って行動しており、早期の検討段階から地域の先住民族との間で、プロジェクトに関する情報を共有していく用意があるとし、地域の先住民族の権利の保護や利益を優先していく立場をアピールした。
 なお、2022年4月25日、Norilsk Nickel社とRosatom社は、Kolmozerskoeリチウム鉱床の開発とリチウム原料の更なる加工に向けた共同プロジェクト実施に関する基本合意書に調印している。Kolmozerskoe鉱床はロシア最大かつ最も有望な未割当のリチウム鉱床であり、ロシア国内のリチウム埋蔵量の18.9%に相当するとされる。

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