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2022年6月23日 ヨハネスブルグ 栗原政臣

ナミビア:政府、Hyphen Hydrogen Energy社が取り組む、10bUS$の投資を行う初のグリーン水素プロジェクトを紹介

 2022年6月1日付けHyphen Hydrogen Energy社によると、2022年5月最終週にスイスDavosで開催された世界経済フォーラム(WEF)において、ナミビア政府は、Hyphen Hydrogen Energy(Hyphen)社が実施するナミビア初の垂直統合型大規模グリーン水素プロジェクト(Hyphenプロジェクト)の進捗状況を紹介した。ナミビア初のGW規模案件となるHyphenプロジェクトは、後に続くプロジェクトの共通インフラを整備することで、ナミビア政府の成長・経済回復計画の一環として2021年に創設されたTsau//Khaeb国立公園での南部回廊開発イニシアティブ(SCDI)水素プロジェクトにおけるグリーン水素生産の急速な拡大の触媒の役割を果たすとされている。政府はSCDI水素プロジェクトにおいて3百万t/年のグリーン水素生産を目標としている。Hyphenプロジェクトの本格開発段階では、再生可能な発電容量5~6GW及び電解容量3GWから、10年以内に地域およびグローバル市場向けに年間300千tのグリーン水素を製造し5~6百万t/年のCO2排出量を削減する。Hyphen社は2021年11月の国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)で優先入札者として発表され、それ以降ナミビア政府との間で計画立案とpre-feasibility activitiesに取り組んでいる。今後、実施契約の署名によりFSが開始される。同社の提案によると、建設は2025年1月に開始され、2026年末までに第一段階の試運転が行われる予定である。プロジェクトの総投資額10bUS$は、ほぼナミビアの年間GDPに相当する。
 2022年6月1日付けメディアによると、Hyphen社は、プロジェクトを2つのシームレスな段階で進展させることを目指している。第一段階では4.4bUS$を投資して125千t/年のグリーン水素を製造し、さらに700千t/年のグリーンアンモニアを欧州に輸出する。SCDIプロジェクトの総面積は25,000km2で、最初の入札では4,000km2が落札された。この地域には最大2,800時間/年の太陽光資源があり、平均風速は10m/秒で欧州の洋上風力に匹敵する。

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