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ニュース・フラッシュ

鉱種:
2022年7月22日 ジャカルタ 白鳥智裕

ミャンマー:Wa州政府、錫等鉱物製品の輸出関税を25%から30%に引き上げ

 2022年7月8日付け国際錫協会(ITA)ニュースによると、ミャンマーWa州政府は、同国のインフレ上昇を回避するため、錫を含む鉱物製品の輸出関税を引き上げた。ITA Chinaが確認した文書によると、2022年7月1日に施行された新法にて、Wa州中央経済計画委員会はすべての鉱物性製品の輸出関税を25%から30%に引き上げた。
 2006年にWa州政府が策定した「Wa州各種鉱産物管理暫定規定」では、鉱産物の輸出関税は30%となっているが、コストを削減し投資を促すため、後に一時的に25%に引き下げられた。Wa州政府は、10年以上の開発期間を経て、投資家はすでにコストを回収し、相当の利益を上げていると考えられる。しかし、Wa州政府の支出は、物価の上昇に伴い増加傾向にある。市場の状況やWa州政府の財政状況を考慮し、同州政府は鉱物資源の輸出関税を25%から30%に戻すことを決定した。低価値の鉱物に対する関税の定額部分は変更されない。
 ITAの見解によると、近年生産量は減少しているが、ミャンマーは依然として世界で最も重要な錫の供給国の一つであり、中国の製錬所への主要な供給国である。中国の精鉱の大半は、Wa州内の鉱山から産出される。輸出関税は通常、輸出する錫精鉱に対して課税され、その結果、Wa州政府が大量の錫精鉱の在庫を抱えることになった。しかし、2022年の記録的な高値での販売により、錫精鉱が枯渇してしまった。輸出関税の引き上げは、政府が在庫を再確保するのに役立つ可能性があるが、地元の錫生産者の利潤を圧迫することになる。

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