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2022年7月25日 バンクーバー 佐藤すみれ

メキシコ:複数鉱山企業が労働者分配利益の上限額をめぐる労働争議に直面、El Boleo鉱山は労使合意の目途立たず

 業界紙等によると、2022年は複数の鉱山企業が、労働者分配利益(PTU)分配額の値上げを求める労働組合からの要求に直面している。その主な背景には2021年4月に公布された連邦労働法および関連各法の改正にある。従来は企業の課税所得の10%に一定の調整を行った額を従業員へ分配する義務が課されていたが、同改正法において、PTUの分配額に上限が設けられ、労働者の給与の3倍、もしくは過去3年間のPTU受給額の平均のいずれか高い方を上限とすることとなった。
 近年の金属価格上昇により業績が好調な企業が多く見受けられる一方、この新たな上限によってPTU受給額が大幅に減少すると複数の鉱山労働者組合から反発が上がっている。主要鉱山企業の例として、墨Grupo México社はBuenavista銅鉱山とLa Caridad精錬所の労働組合との間で改正後のPTU上限額を適用しないことで合意され、ストライキ回避に至った。米Newmont社も同様に最大10%の分配率を適用することで労働組合と合意し、2021年分の分配総額は70mUS$と公表されたほか、業界紙の報道によると、同社の従業員5,000人を元に単純計算した場合、一人当たりの受給額は14,000US$にのぼるとみられている。
 また、El Boleo銅鉱山において2022年7月上旬以降ストライキが継続しているが、現地紙によると、国内複数鉱山においてPTU額が上昇傾向にある一方、同鉱山においては多額の赤字により労働者が求める利益が受けられないことが労使決裂の原因の一つとみられている。同鉱山のオペレーターであるMinera y Metalúrgica del Boleo社の法務部長は地元紙に対し、交渉の決着期限を2022年9月としているほか、合意に至らなかった場合の閉山作業に必要な法的条件を満たすため、外部の弁護士と準備に着手したことを明かした。

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