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ニュース・フラッシュ

鉱種:
ニッケル
2022年7月25日 バンクーバー 佐藤佑美

加:GlencoreのRaglanニッケル・銅鉱山ストライキ、3度目の交渉決裂

 2022年7月20日付けプレスリリースによれば、Glencore CanadaのQC州Raglanニッケル・銅鉱山に従事する630名が加盟する労働組合(United Steelworkers Union Local 9449、以下USW第9449支部)は、組合員の76.7%が反対票を投じたことを受けて、2022年7月10日に提示された新たな労働協約案の受け入れを拒否した。労働組合はfly-in fly-out(FIFO)での連続勤務形態や請負業者の雇用増などを争点とし、2022年5月27日以降ストライキを継続している。同年7月7日にも交渉の場が設けられたものの、わずか数時間で決裂したという。
 USW第9449支部の代表者は、新たな労働協約案は2022年5月時点での提案内容に劣っていると主張する。一方でGlencoreによれば、新たな労働協約案では今後5年間に亘って平均32.2%の給与引き上げ(80%の労働組合員が130,000~190,000C$の年間報酬を受け取ることが可能)や、組合員が半年間を自宅で過ごすことが可能な勤務スケジュールなどが提示されていた。QC州統計局の最近データによれば、同州の年間平均報酬は66,500C$であることから、2倍以上の報酬額が提示されていたとGlencoreは主張する。また、同社は請負業者の雇用増に関する地元メディアの取材に対し、多くは一時的な雇用であるため組合員の仕事を奪うことはないとする。さらに、イヌイット先住民の雇用の維持は地域社会に対する経済的利益のためにも重要であり、この点について譲歩することはRaglan協定(※)に反する旨コメントしている。
 現在Raglan鉱山では、専門スタッフと請負業者の下、一部操業が継続されている。
(※)1995年にRaglan鉱山と5つのイヌイット先住民との間で締結された、事業による影響と利益分配などを定める協定(IBA:Impact Benefit Agreement)のこと。Raglan鉱山は、鉱山会社と先住民がIBAを締結したカナダ国内初の事例である。Raglan協定では、主に周辺地域に対するトレーニングと雇用の提供や鉱山活動による環境影響の低減、イヌイット事業主に対する優先調達権の提供などが定められている。

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