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2022年8月17日 ヨハネスブルグ 栗原政臣

南ア:Ramaphosa大統領、電力不足の危機対応策を発表

 2022年7月25日付けメディアによると、同日南アCyril Ramaphosa大統領は、停電解消に向けた行動計画の一環として、次回の再生可能エネルギー調達ラウンドの割当量の倍増、分散型発電事業者に対する100MWの免許免除基準の廃止、自家発電の家庭や企業に対する固定価格買取制度の提案等、広範囲にわたるいくつかの介入策を発表した。Ramaphosa大統領は、一部の野党が求める「国家的危機」を宣言することは控えたものの、「特別法」を国会に提出して、発電能力の緊急導入に対する法的・規制的な障害に対処することも発表した。既存の法律の範囲内で可能な限り、特定の規制要件を免除または合理化する予定である。これには環境感度が低い地域及び中程度の地域における太陽光発電プロジェクトに対する規制要件の緩和が含まれる。また、国有電力会社Eskomは、環境感度が低・中感度の地域や戦略的電力回廊内では、環境認可を得ることなく送電線や変電所を拡張できる。
 Ramaphosa大統領は、「我々はまた、政府全体の承認プロセスの調整を確実にするために、すべてのエネルギープロジェクト申請のための単一のエントリーポイントを確立している」と発表した。この計画は2つの側面から構成されており、1つは石炭火力発電の稼働率が60%を下回る等Eskomの不安定な経営を改善すること、もう1つは約6千MWの供給不足を解消するためにできるだけ早く新しい発電能力を送電網に導入することである。Ramaphosa大統領が発表した計画の革新性の多くは、以下の介入策を通じた迅速な追加容量の投入という第2の柱に基づいている。
・再生可能エネルギー独立発電事業調達プログラム(REIPPPP)の2022年8月に実施される第6次入札(BW6)の割当を2,600MWから5,200MWに倍増する。
・鉱山業者や重工業によって開発されている分散型発電所に対する免許免除上限100MWを全面的に撤廃する。2021年6月に発表された免許免除上限を100MWとするとしたこの改革により、既に80の民間プロジェクトが確認され、その合計容量は6千MWを超えている。
・独立系発電事業者事務所(Independent Power Producer Office)と貿易産業競争省が、REIPPPPの第5次入札の下で調達されたプロジェクトの契約を現在妨げている現地調達要件について「現実的なアプローチ」を発表することの確認。
・最初のリースラウンドで予想される1,800MWの民間分散投資に加え、さらなる民間プロジェクトを促進し、送電網に対応するためのEskomによる土地のリース。
・2022年9月までに蓄電池の提案依頼書を発行し、その後、ガス発電の提案依頼書を発行する。
・南アの電力需給バランスを想定した電力インフラ整備計画である2019年の統合資源計画(IRP)の、Gwede Mantashe鉱物資源エネルギー大臣による残りの割当に関する検討。これにより迅速な入札の実施が促進される。
 Ramaphosa大統領はまた、既存の再生可能エネルギー独立発電事業者(IPP)の余剰電力を吸収し、Eskomは送電網に売却できる余剰電力を持つ企業、鉱山、製紙工場、ショッピングセンターから2~3年の期間、電力を購入する標準的な提案を行うことができると発表した。また、ボツワナやザンビア等からの輸入の可能性も検討される。この介入策は、企業や家庭による太陽光発電システムへの投資を刺激するものであり、Eskomが商業施設や住宅に適用する固定価格買取制度によってインセンティブを与えることになると大統領は述べた。さらに、南ア警察を含む法執行機関と連携し、電力会社における妨害行為や現在進行中の窃盗や詐欺に対処する。中期的には、Eskomの400bZAR(南ア・ランド:約25bUS$)の負債を解決し、Eskomの発電・配電部門から切り離された独立した送電会社を年内に設立する計画が含まれている。また、必要な送電容量への投資や、廃止された石炭発電所の再稼働のため、Just Energy Transition気候変動資金を活用する意向もある。
 このイニシアティブ全体は、全ての関係省庁からなる国家エネルギー危機委員会と、大統領府の長官を議長とする技術チームによって監督されることになる。国家エネルギー危機委員会は、企業、労働者、専門技術者団体、地域団体から入手可能な最善の専門知識を活用することになる。関係する閣僚は、これらの行動を迅速に実行するために、定期的に大統領に直接報告することになる。

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