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中国:有色金属工業協会会長、中国の新エネルギー産業発展の課題を指摘
2022年8月18日、江西省宜春市で2022年中国リチウム産業業大会および第5回中国新エネルギー(リチウムバッテリー)産業サミットフォーラムが開催された。寧徳時代新能源科技股份有限公司(CATL)や比亜迪股份有限公司(BYD)ら業界大手企業、シンクタンクの安泰科らが出席し、中国のリチウム業界動向や発展について報告、意見交換を行った。
開催にあたり、中国有色金属工業協会の葛紅林会長はビデオメッセージを送り、中国の経済発展は様々な圧力に直面しているものの、新エネルギー産業はそれに逆らうように発展が著しいことを前置きした上で、以下のとおり新エネルギー産業発展の3つの課題について指摘した。
(1)国の産業チェーンの安定を保障するため、資源確保戦略を強化すべきである。
原料獲得の国際競争は益々厳しさを増しており、ニッケル、コバルト、リチウムの対外依存度はそれぞれ93%、98%、65%に達しており、原料の安定供給の問題は軽視できない。国内探査を強化すると同時に、関係国との協力を強化し、良質な資源権益を絶えず拡大しなければならない。
(2)産業チェーンの調和を構築すべきである。
現在、中国の上・中・下流の産業チェーンは調和がとれておらず、需給のミスマッチが生じ、原料価格の上昇を招いている。産業チェーンの調和を構築することは、長期的な産業発展に資する。
(3)産業のボトムラインを打ち立て、リスク対応能力を高めるべきである。
経済社会の発展が直面する問題は、産業チェーン、サプライチェーンを多元化させるなど、企業のリスク、挑戦を増やしている。欧州では、新エネルギー車のクローズドループサプライチェーンを構築し、対外依存度を下げ、地域産業の再構築に取り組んでいる。我が国に目を向けると、資源の獲得競争は日増しに激化し、企業の盲目的な生産能力の拡張が際立っている。企業は、発展のチャンスをつかむと共に、冷静さを維持し、産業のボトムラインの思考をしっかりと打ち立て、リスク意識を強化し、重大なリスクの発生回避に努めなければならない。
