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ニュース・フラッシュ

鉱種:
アルミニウム/ボーキサイト ニッケル
2022年8月31日 ジャカルタ 白鳥智裕

インドネシア:2022年中にニッケル輸出税を課す可能性、Joko大統領が言及

 2022年8月19日付け現地メディアによると、Joko大統領は、自国でのニッケル精製を増やすため、2022年中にニッケルの輸出に課税する可能性があると述べた。2022年8月18日のBloomberg News編集長John Micklethwait氏とのインタビューに答えたものである。
 世界の電気自動車(EV)へのシフトは、ニッケル、リチウム、コバルトを含むバッテリー金属の需要急増に拍車をかけている。ステンレス鋼の原料であるニッケルの価格上昇の恩恵を受けているインドネシアだが、Joko大統領はEVのサプライチェーンへの参入を望んでいる。最終的には、原材料の輸出をすべて停止させたいと考えている。
 Joko大統領は、「インドネシアは、国家収入を増加させ、より多くの雇用機会を提供するために、現地でより多くの価値を付加したいと考えている」とし、「ボーキサイト、銅、錫、粗パーム油などについても同様である」と述べた。
 ニッケルの精製は最大35bUS$の付加価値を生むと、2021年末にJoko大統領は述べた。しかし、課税は短期的には海外販売による収入を抑制する可能性があり、2020年末から上昇した世界価格を押し上げる可能性もある。
 上海を拠点とするHorizon Insights社のアナリストGao Yin氏は「市場は以前からこのニュースを一部織り込んでいた」とし、「実際に課税される前の価格への影響は限定的」であり「課税によって中国へのニッケル輸出に大きな影響が出る可能性は低い」と分析する。

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