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ニュース・フラッシュ

鉱種:
2022年11月22日 サンティアゴ 兵土大輔

チリ:新鉱業ロイヤルティ法案、上院鉱業エネルギー委員会での発言要旨

 2022年11月16日、上院鉱業エネルギー委員会において新鉱業ロイヤルティ法案に関するセッションが開催された。同年10月26日に政府が発表した新鉱業ロイヤルティ法案の修正案(2022年10月31日付 ニュース・フラッシュ:政府、新鉱業ロイヤルティ法案の政府修正案を発表参照)に対し、鉱業関係者から以下の内容のプレゼンが行われた。
・Jorge Riesco, SONAMI, President
 政府の修正案では、新鉱業ロイヤルティの設計が改善されたが、鉱山会社は依然として過大な税負担を強いられ、チリ鉱業の競争力、事業継続を脅かし、将来の投資を厳しく制限するだろう。現在、チリの鉱山会社の実効税率は38~39%(税引前利益)であるが、政府修正案では、他の鉱業国に比べるとかなり高い税率が維持されている。チリの実効税率は42~63%、一方で豪州、カナダ、ペルーの実効税率は36.4~41.7%である。
 政府の修正案は、投資の流れが失われ、競争力を失うリスクを高め、結局のところ、新鉱業ロイヤルティによる歳入増加に繋がらないだろう。
 鉱業の貢献は、納税によるものだけではない。鉱業は、国内総生産、歳入、輸出額で占める割合が高いだけでなく、雇用創出にも貢献している。
・Joaquín Villarino, Consejo Minero, Executive President
 政府の説明によれば、現在の鉱山会社の実効税率は33.4%(銅価格3.74US$/lbの時)である。政府の修正案が適用された場合、実効税率は39.8%に達する。
 一方、Consejo Mineroの計算によれば、現在の鉱山会社の実効税率は、38.7~39.2%(銅価格3.5~4US$/lbの時)である。政府が示している鉱山会社の実効税率が低い理由は、利潤分配率を100%ではなく50%と想定しているからである。
 政府の修正案が適用された場合、鉱山会社の実効税率は48.4%に達するだろう。ペルーの40.7%、カナダの40%、豪州の36.4%、米国の30.9%に比べ高くなり、チリは他国に比べ魅力的な鉱業投資国でなくなってしまう恐れがある。また鉱業投資が減少すると、雇用創出、生産サプライチェーンの拡大、地域活性化における鉱山会社の大きな貢献がなくなる。
 鉱山会社は、新鉱業ロイヤルティ法案だけでなく、税制改革法案により留保利益に対する税金適用、欠損金の繰越制限、付加価値還付制限などの影響を受ける可能性がある。

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