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鉱種:
2022年11月25日 リマ 初谷和則

ペルー:南部鉱物輸送道で複数の封鎖発生、Las Bambas銅鉱山操業に影響

 2022年11月11~15日付け現地報道によると、Apurimac州Cotabambas郡Challhuahuacho区の複数のコミュニティが同月8日からLas Bambas銅鉱山(Apurimac州)のアクセス路封鎖を開始した。これらは2022年4~6月にかけて本鉱山の一部を占拠し57日間の操業停止を引き起こしたコミュニティであり、MMG Las Bambas社との交渉決裂を受けて封鎖を再開した。
 Cusco州のChumbivilcas郡とEspinar郡の複数地点でも南部鉱物輸送道が封鎖された。このような中、同社のOrderique操業担当GMは、本鉱山敷地内に2,100名以上の従業員が足止めされ食料や原料の調達も行えない状況であるとし、政府に対して人道的措置としての人員退避を要請する方針を示した。同鉱山の労組書記長は、供給や人員交代が完全に停止し現時点で通常の25%程度の操業状況であり、およそ1週間後に完全な操業停止となる可能性を示した。
 こうした中Apurimac州のLantaron知事は、中央政府による問題解決への関心の低さを指摘したほか、次々に閣僚が交代し政府と自治体間の既存の約束について引継ぎが行われていないと苦言した。
 2022年11月17~18日付け現地報道によると、南部鉱物輸送道の複数地点で封鎖が継続しているため、本鉱山の生産量は30%程度まで減少している。
 ペルー・中国商工会議所(CAPECHI)は、南部鉱物輸送道を巡る一連の状況は両国の通商関係に悪影響をもたらしているとし、仮に本鉱山が全面的な操業停止になった場合、ペルーの損失額は5.2mPEN(ソーレス)(うちApurimac州への交付額が3.2mPEN)に上るであろうと警告した。
 2022年11月21日付け現地報道によると、11月20日夜、約300名の警官の護衛のもと本鉱山への200台以上の燃料輸送車の搬入が行われた。
 エネルギー鉱山省(MINEM)は、現在も南部鉱物輸送道の封鎖を続けるChallhuahuacho区とCusco州Chumbivilcas郡Tuntuma農民コミュニティに対し、争議解決に向けた対話に応じるよう呼びかけた。

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