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ニュース・フラッシュ

鉱種:
コバルト
2022年11月29日 ヨハネスブルグ 栗原政臣

DRコンゴ:Lukonde首相、中国企業グループとの鉱業契約見直しについて言及

 2022年11月23日付けメディアによると、DRコンゴは、10年以上前に中国と締結した鉱業取引の見直しを求めており、インフラプロジェクトに充てると約束された資金をすべて確保すること、及び超過利潤の分配を受けることを視野に入れている。Jean-Michel Sama Lukonde首相は、第27回気候変動枠組条約締約国会議(COP27)期間中にエジプトで行われたインタビューで、中国企業グループとDRコンゴ国有企業Gecamines社とのJV事業Sicomines銅・コバルト鉱山プロジェクトを含む2008年に締結されたインフラ・鉱山開発事業の契約の見直しは、理想的には2022年末までに完了されるべきだと述べた。コモディティ価格の高騰でプロジェクトが超過利潤を上げていたため、追加支払いが必要だという。政府のデータによると、2020年のSicomines銅・コバルト鉱山プロジェクトの生産量は銅155,630t、コバルト886tであった。Lukonde首相によると、中国はこれまでに約900mUS$をインフラ整備に費やしているが、協定で要求された額には遠く及ばない。2008年の協定は、DRコンゴが数十年にわたる不安定さから脱しつつあり、新たに選出されたJoseph Kabila大統領が資金調達に切実であった時期に調印された。中国が銅・コバルト鉱山に3.2bUS$を投資し、さらに輸送網などのプロジェクトに3bUS$を投資し鉱山からの収入で賄うとしていた。この取引により中国企業は、DRコンゴの大規模なインフラ赤字への対処を支援するのと引き換えに、世界最大のコバルト埋蔵量やアフリカ第2位の銅埋蔵量を含むDRコンゴの鉱物資源の権利を手に入れた。しかし、2019年に発足したFelix Tshisekedi政権は、この条項が中国に有利なものであると批判している。
 DRコンゴ政府はまた、中CMOC Group(2022年6月30日にChina Molybdenum社から英語名を変更)とGecamines社によるTenke Fungurume銅・コバルト鉱山の行き詰まりを2022年末までに解決することを目指している。2022年7月には、株主間の意見の相違を解決するために裁判所が任命した臨時管理者が鉱山からの輸出を差し止めた。Gecamines社はCMOC Groupに資産の再評価を求めているが、この問題やコンゴ企業への収益を決定する契約に関する相違はまだ解決されていないとLukonde首相は述べている。CMOCの広報担当者Vincent Zhou氏は、鉱山での生産は続いており、同社はDRコンゴの税関と財務省に苦情を申し立てたと述べた。また、CMOCは契約に従い、DRコンゴ鉱山省が承認した経済的に実行可能な埋蔵量のフィージビリティスタディに基づいてロイヤルティを支払うと述べている。
 DRコンゴには、よりクリーンなエネルギーへの移行に必要な鉱物が豊富に埋蔵されていることに加え、世界の年間炭素排出量の3年分が蓄積される世界最大の熱帯泥炭地があり、世界最大のアマゾンに次ぐ熱帯雨林が存在する。政府は、地球温暖化対策に役割を果たすことを約束する一方で、自国の利益のために資源を開発する権利も留保している。Lukonde首相は、DRコンゴの炭素を吸収し、水力発電を行い、主要な鉱物を生産できる潜在能力が地球規模の問題の解決策になることを認識しているが、現在の気候危機の原因となっている国々も役割を果たす必要があると述べた。

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