ニュース・フラッシュ
- 鉱種:
- 銅 グラファイト ウラン その他 コバルト レアアース/希土類 ニッケル バナジウム リチウム
加:連邦政府が重要鉱物戦略を発表
2022年12月9日、連邦政府は重要鉱物戦略を発表した。
2022年度予算では今後8年間で最大総額3.8bC$を重要鉱物開発支援に割り当てるとしている。今回発表された戦略はそれを基にしており、探鉱費税額控除制度(控除率:30%)など、すでに発表された内容も含まれている(2022年4月12日付 ニュース・フラッシュ:連邦政府が2022年度予算案を公表、クリティカルミネラル開発支援に総額3.8bC$参照)
また連邦政府より重要鉱物と指定されている31鉱種のうち、経済成長の可能性とサプライチェーン構築の観点から、リチウム、グラファイト、ニッケル、コバルト、銅、レアアースに優先的焦点が当てられる(2021年3月17日付 ニュース・フラッシュ:連邦政府、クリティカルミネラルリストに31鉱種を指定参照)。
発表の中で、連邦・州の規制機関の双方が審査を行う場合に起こりうる重複を避けるため、許認可と環境審査プロセスの調和、調整、合理化を図ることを挙げ、許認可プロセスの迅速化を掲げた。また鉱業開発における先住民族の早期エンゲージメントも促している。
戦略的な焦点は以下6分野に当てられる:(1)研究・イノベーション・探査の推進、(2)責任あるプロジェクト開発の加速、(3)持続可能なインフラの建設、(4)先住民族との和解の前進、(5)多様な労働力と地域社会の育成、(6)国際的なリーダーシップと安全保障の強化。
以下は、それらの主な施策である:
(1)研究、イノベーション、探査の推進
- 公的機関による地球科学と探査事業に79.2mC$を拠出
- ニッケル、リチウム、コバルト、グラファイト、銅、希土類元素、バナジウム、ウラン等の探査事業において30%の税額控除(Critical Mineral Exploration Tax Credit)を適用
- 研究所での上流の重要鉱物の研究開発に47.7mC$を拠出
- バリューチェーンの上流・中流部門の重要鉱物開発を支援するための研究開発及び技術活用に144.4mC$を拠出
(2)責任あるプロジェクト開発の加速
- 重要鉱物の製造や加工、リサイクルを支援するため、戦略イノベーション基金(SIF)に1.5bC$を拠出
- プロジェクトの審査と許認可において北部の規制プロセスを支援するために40mC$を拠出
- ジュニア企業による円滑な許認可申請を支援するためCritical Minerals Centre of Excellenceに21.5mC$を拠出
(3)持続可能なインフラの建設
- 重要鉱物のインフラ開発のため1.5bC$を拠出
- GHG排出の電力に依存している遠隔地の鉱業で、グリーンエネルギーインフラへの戦略的投資を実施
(4)先住民族との和解の前進
- 先住民族を鉱物資源のある土地の権利者であると認める
- 「先住民族の権利に関する国際連合宣言(UNDRIP)」に準拠する
- 先住民族との経済的和解のために割り当てられた103.4mC$のうち、少なくとも25mC$を先住民の参加と早期エンゲージメントのためにIndigenous Natural Resource Partnerships Programを通じて拠出する
(5)多様な労働力と地域社会の育成
- 鉱業部門における女性や若者、先住民のトレーニングを実施
(6)国際的なリーダーシップと安全保障の強化
- 連邦政府の戦略目標、及び2022年11月に発表されたインド太平洋地域戦略との整合性を確保
- ESG推進など国際パートナーシップに、70mC$を拠出
カナダ鉱業協会(MAC)はプレスリリースの中で、同戦略への支持を表明し、明確かつ焦点が絞られた行動指向の内容との見解を示した。
