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ニュース・フラッシュ

鉱種:
ベースメタル 貴金属 その他 モリブデン リチウム レアメタル
2023年1月12日 北京 忽滑谷諒子

中国:中国鉱業連合会が選ぶ、2022年中国鉱業10大ニュース

 2022年12月30日、中国工業連合会は2022年中国鉱業10大ニュースを発表した。

(1)習近平総書記が山東省地鉱局第六地質隊を激励
 習近平国家主席は2022年10月2日、山東省地鉱局第6地質隊の鉱物探査活動について、「チーム創設以来、あなた方の代々の隊員は山を越えて水を渡り、風食野宿し、難関を克服し、鉱山探しの実り多い成果を収め、我が国の地質関係者の使命責任を果たした」と述べた。山東省地質鉱産探査開発局第6地質隊は1958年の設立以降、金などの積極的な鉱物資源探査活動を行い、これまでに累計で判明した金の資源量は2,810t余りで、これは中国国内の確認済金資源量の約5分の1を占める。1992年には、国務院から栄誉称号を授与された。
(2)中国鉱産資源集団が設立
 国務院直下の中国鉱産資源集団有限公司の設立大会が2022年7月25日、北京市で行われた。(2022年7月29日付 ニュース・フラッシュ:中国鉱産資源集団設立、鉄鉱石の一元的調達管理を担う参照)
(3)紫金鉱業が59億元超で「世界最大埋蔵量のモリブデン単体鉱」を獲得
 2022年10月21日、紫金鉱業集団股份有限公司(以下、紫金鉱業)と安徽金モリブデン地鉱投資有限公司は財産権取引契約を締結し、紫金鉱業は59.1億元(約1,180億円、20円/元で試算)で安徽金沙モリブデン業有限公司の株式84%を取得し、埋蔵量が世界最大の単体モリブデン鉱山である安徽金寨県沙坪溝モリブデン鉱山を取得した。沙坪溝モリブデン鉱山は世界的な超巨大斑岩型モリブデン金属鉱床で、探鉱権内のモリブデン資源量は2,337.8千tで、稼働後の平均モリブデン生産量は約27.2千t/年を見込む。
(4)国内石油年間生産量が200百万tに戻り、天然ガス生産量が石油換算量200百万tに浮上
 2022年12月に発表された「中国海洋エネルギー発展報告2022」によると、2022年の国内原油生産量は約205百万tに達し、2016年以来初めて200百万t以上に回復すると予想される。国内天然ガス生産量は221.1十億m3の見込みで、石油換算量は初めて200百万tに跳ね上がり、石油・ガス換算量の合計は400百万tを超える見通しとなった。
(5)国内石炭生産量が過去最高を記録
 2022年1~11月の全国の石炭生産量は前年同期比9.7%増の4.09十億t、前年同期比0.36十億t増加し、過去最高を記録した。うち、主要産炭地域である山西・陝西・内蒙古らの2022年1~11月の石炭生産量は3.32十億tに達し、全国の石炭生産量の81%を占め、増産・供給増の主力としての役割を十分に発揮した。
(6)2022中国国際鉱業大会オンライン開催
 「持続可能な鉱業、持続可能な経済成長のために」をテーマに、国内外の鉱産物需給情勢や鉱業資本市場、鉱産物取引市場などについて複数のフォーラムを開催した。南ア、セルビア、アルゼンチン、ザンビア等の駐中国大使らがオンラインで開幕式に出席した。
(7)自然資源部が採掘用地支援を強化
 自然資源部は2022年11月25日、採掘用地の規模と配置を統一的に計画するなどの支援を強化し、国のエネルギー資源供給の安全を保障すると発表した。採鉱用地とは、採鉱・採石採取場などの地上用地及び尾鉱堆積地を指す。
(8)9部門が共同で『カーボンピークアウト・カーボンニュートラル標準計量体系の構築・健全化実施方案』を発表
 国家市場監督管理総局、国家発展改革委員会、工業信息化部、自然資源部、生態環境部、住宅都市農村建設部、交通運輸部、中国気象局、国家林草局など9部門は2022年10月31日、共同で方案を発表した。方案は、2025年までに基本的なカーボンピークアウト・カーボンニュートラル標準計量体系を構築することを主な目標に掲げている。
(9)地方政府が「第14次五カ年計画」鉱物資源全体計画を続々と発表
 各省(区・市)は2021~2025年の鉱物資源総体計画を次々と発表した。第14次五カ年計画期間中の鉱物資源探査、開発利用及び保護を法に基づいて審査・認可及び監督管理する重要な根拠であり、鉱業の質の高い発展を推進し、実現するための重要な指導計画となる。
(10)紫金鉱業がリチウム資源産業に急速に進出、「両湖一鉱」産業の新たな構造を形成
 「両湖一鉱」とは、アルゼンチンのTres Quebradas塩湖リチウム鉱及びチベットの拉果錯塩湖リチウム鉱の「両湖」と、湖南の湘源リチウム鉱の「一鉱」を指す。これらの合計炭酸リチウム当量資源量は10百万t超となる。

 10大ニュースは、中国鉱業連合会と雑誌社『中国鉱業』が共同で選考し、各省の鉱業連合会らの投票により選出したという。

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